新潮文庫<br> フリーマントルの恐怖劇場

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新潮文庫
フリーマントルの恐怖劇場

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  • サイズ 文庫判/ページ数 341p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102165300
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

「あの世」に入れず、失われし魂を求めて「この世」に戻ってみると…。かつて殺傷し合ったKGB部員の霊と皮肉にも現世で鉢合わせするCIA部員「魂を探せ」。生前コメディアンとして失敗した男が、「死後の世界」で才能を開花させる。現世に提供したネタが絶賛され、死後漸く売れっ子になった男「ゴーストライター」など、世にも不思議な幽霊物語12編。技巧の粋を凝らした名手の異色短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

拓也 ◆mOrYeBoQbw

24
ホラー短篇集。カレと並ぶ長篇スパイ小説の名手フリーマントルのまさかのホラー&短篇です。リアリズムと狡知で知られる同氏の別ジャンルという事ですが、とにかく文体が読み易く良い出来に仕上がってますね。英ミステリー作家の同氏が、ブロックやキングにも似た寧ろアメリカン・ホラーに近い作品に近い味わいに。やはりシンプルで分かり易い表現力はジャンルを超えて武器になってますね。久々に『別れを告げにきた男』も読みたい所です(・ω・)ノシ2017/12/07

ハルバル

11
「怪奇」や「恐怖」とあれば衝動的に読んでしまう度し難い性癖の為に読んでしまった本。「しまった」とあるのは大して怖くなかったから。というか怖がらせようとして書いてないでしょう、この作者は。もっとテンポとか盛り上がりとか考えて書いていただかないと、肝心の恐怖シーンが冴えなくなる。スパイ小説作家とあるので単にホラーに向いてないだけでしょう。余技で書けるほどホラーは甘くないぞ。それにしても嫌な人間って幽霊になっても人に迷惑かけるものですね。まったくきっちり死んで成仏しろ!(でもそれじゃあホラーにならないのよね笑)2018/11/28

くさてる

11
バラエティに富んだ短編集ながら、ひとつひとつの作品のインパクトには正直言って欠ける部分があるような。個人的には、インサイダー取引で財をなしたおしどり夫婦が妻の死によって陥る変わった運命を描いた「インサイダー取引」が先も読めず、面白かったです。2016/01/06

bapaksejahtera

6
原著は1993年に書かれたという。フリーマントルとしては異色の分野である。12本の作品からなるがホラー一辺倒ではない。尤もホラーを試みた作品のいくつかは私には効果がなかった。文化の違いか翻訳の篩のためかはわからない。奇談めいたものもあるが霊界からネタを送ったので「ゴーストライター」とか、著者お手の物の諜報員(CIAとKGB)が共に魂を失ってあの世に行けず、落ちが「スパイには魂がない」というスベリ。前者には冥界にもコメディークラブがあるよいう話。コミカルな作があるのは救いだが。2020/05/02

Tetchy

6
実にヴァラエティーに富んだ短編集。国際謀略という自分の得意分野だけで勝負していないところなんかはフリーマントルのストーリーメーカーとしての矜持を感じさせる。もしフリーマントルにお題を提供してホラーを書けと頼むと、何でも書けるのではないだろうか。彼が筆巧者であり、その定型化した恐怖譚をコクのある料理に変身させる腕前を備えていることを再認識させられた。正直云ってこれほどの短編集を絶版のまま埋もれさせるのは勿体無い。どうにか復刊ならないだろうか。2010/01/17

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