新潮文庫<br> 第五の日に帰って行った男

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新潮文庫
第五の日に帰って行った男

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  • サイズ 文庫判/ページ数 184p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784102165201
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

自分の部下がCIAに駆け込むという致命的失態を演じたKGB第一管理本部長は、亡命者の信頼性を失墜させる起死回生の策として、自ら発案した偽装亡命者となってアメリカに赴いた―。国を裏切り、おのれも裏切られていくスパイたちの、孤独と悲哀に彩られた生と死のドラマ。表題作はじめ、モスクワ、ワシントン、東京、中東を舞台に手練の筆で描いた著者初の短編5作を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bapaksejahtera

7
フリーマントルが来日した際にサントリーの広報誌の依頼を受けて執筆した短編集という。5篇からなる。いずれも諜報者の亡命(寝返り)をテーマにしたものであり、悉く悲劇的な結末を迎えることとなるのはテーマの性格上仕方がない。日本人のテロリストがアメリカの諜報員本国生還の犠牲になる一編を除き、KGBとCIAの諜報機関の争いが主題である。ソ連という社会の奇態は認めつつ、これら2つの機関が共に利用価値の無くなったものを容易く処断し、或いは組織の中で生き残るために手段を選ばぬ狡智をめぐらす。さもありなんと思い至るのだ。2020/09/03

Tetchy

1
亡命者をテーマにした短編集。内容的に重複する物も多く、この亡命者をテーマにした場合に意外とヴァリエーションが無い事に気付かされる。亡命者が亡命する際の緊張感、どのような緻密な計画を立てるのか、果たして成功するのか否かというのが亡命物のメインとなるのだが、短編である本作においてはその辺が軽く書かれており、フリーマントル自身、短編である事を意識して最後のどんでん返しに主眼を置いて著したようだ。だがそのどんでん返しも長編の焼き直しのような感じがして、物足りない。この作者、やはり長編向きだと思う。2010/01/07

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