新潮文庫<br> スパイよさらば

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新潮文庫
スパイよさらば

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  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784102165188
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

二重スパイ・ハートマンは、もう引退したかった。病床の妻は死に、息子は独立した。金のための嫌な仕事をする必要はない。そろそろ老いも感じる。しかし、あまりに卓越したその経歴のため、二大国の情報部は決して彼を自由にしてくれなかった。だが、ついにチャンスが訪れた。彼の身代りになってくれそうな男を見つけたのだ。人並みの幸せを夢みたスパイが立てた完壁な作戦とは?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tetchy

48
これは優秀な二重スパイがいかにして国にボロボロになるまで利用され、果てには国の秘密を保持するために抹殺される運命から逃れる物語である。原題は“The Solitary Man”。世捨て人。主人公はCIAとKGBの二重スパイを辞めるため自らを葬り去ろうとする。これが題名の由来だ。通常のフリーマントルの諸作品に倣えば「自分を葬ろうとした男」にでもなろうか。従って今回の邦題はロマンチックに過ぎるような気がしないでもない。決して幸せになれない人がいる。そんな男に対するフリーマントルの筆は今回も容赦はなかった。2014/11/21

i-miya

32
2013.08.06(つづき)フリーマントル著、池央耿訳。 2013.08.05 フーゴ・ハットマンは決して挑発に乗らない。 視力の衰えは隠せない。 ハートマンはいまだかつて自己満足を味わったことはない。 自分が決して勇敢ではないことを誰よりも知っている。 パリのアメリカ大使館の奥のCIAの部屋でこの任務を伝えられなんとか逃れたいと逃げを打つ、しかし、却下された。 問題の人物の正体の確認にハートマンほどぴったりの人間はいなかった。 2013/08/06

i-miya

32
2013.05.08(初読)フリーマントル著、池央耿訳。 (解説=池央耿) ブライアン・フリーマントルがジャック・ウィンチェスターの名義で発したのが本書。 フーゴ・ハートマンの悲劇。 彼が常に矛盾する関係、いわゆる案日ヴァ連酢、アンビヴァレンスの中で生きることを運命付けられていることも根を発する。 その境遇から自ら選んだ道は、死を演じてみせるということ。 架空の死によって現実の生を手にしようとする。 しかし、虚構の外に、自らの身のお子どころは、ない。 2013/05/08

i-miya

30
2013.09.07(つづき)フリーマントル著、池央耿訳。 2013.09.06 ピーター、素晴らしいよ。  音響マイク最高だ、大臣の許可とれればすぐにエジプト大使館に対する作戦着手。 ハーデリン機、カタカタ音。 MI5とGCHQの合同作戦、スエズ運河、スエズ危機の間、ロンドンのエジプト大使館の暗号を解読することができた。 MI5は大成功。 MI6といえば、ナセル大統領の暗殺に失敗したくらいだ。 スエズ危機が頂点に達したときMI5長官になったホリスにとってこの勝利はうってつけのタイミングだった。  2013/09/07

bapaksejahtera

6
ナチの収容所を生き延びた、米ソに跨る二重スパイが主人公。当初は逆スパイの話かと考えたが違った。極めて優秀なために両国諜報機関がお得意になったということだ。そろそろ仕事を納めて愛人と新生活を行おうとしていたところに、米国でやるソ連の仕事がかかる。そこで収容所時代の仇敵を見つけてしまった。彼はこれを始末して生まれ変わろうとした。しかし事態は意外にも・・。数冊読んだ著者作品中でも抜群に面白いので他の作にも大いに期待する。しかし主人公の嘗ての愛妻との関係が最後に明かされるが、これは必要だったのかやや疑問が残る。2020/05/06

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