内容説明
ワシントン特派員のホーキンズは、亡父の友人で大統領候補者のピータースンとのインタビューに成功した。ピータースンはヴェトナム戦当時、遺棄された米人混血孤児救出作戦を提唱し、父はこれに同行取材してピュリッツアー賞を受賞したのだった。社から父の伝記執筆を依頼されたホーキンズは、父が遺した厖大な記録を調べるうち、意外な空白部分に気づき、ヴェトナム行きを決意した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
5
戦争が終わりベトナム難民が海に溢れる。ベトナムはカンボジアに侵攻し、中国は膺懲を叫んでベトナムに攻め込む。混乱のソ連は実は本気で欧州核を取引する。今に思えば凄まじい時代だった。ベトナムからの脱出時米越混血児の救出を巡る事件がこの小説の主題。辣腕を謳われた駐米の英人記者の二代目が主人公。記録魔であり小さな資料も捨てなかった父がこの「英雄的」事件の同行取材データを残さなかった。これには米大統領候補も絡む。主人公と候補夫人の絡みが私には煩いが、流石にフリーマントル。久々に読むもまだまだ楽しめる作家だと思わせた。2021/03/02
frog
2
ワシントン特派員の英国人記者が、ピュリッツアー賞を受賞した亡き父の伝記を書く内に、ヴェトナム戦争末期に行われた有名な孤児救出作戦の真相に謎があることを発見する。その作戦の発案者だった現大統領候補と交友と選挙戦取材のスリリングさに加え、父のベトナム人通訳と愛人の亡命によって明らかにされた米国人捕虜の存在が、思わぬ方向へストーリーを展開させてゆく。フリーマントルらしい硬質な文体と苦味の効いた展開が、とにかく最高です。2010/09/25
あきひと
1
面白い作品でした。それ以上にベトナム戦という過去をもっと知りたいという気持ちのほうが強い。2015/05/12
pqrs
1
真相自体は特に驚くべきものではなかったが、ベトナム潜入行は面白かった。2010/03/11
まー
0
51988/03/21
