内容説明
9・11テロ前夜、英貴族ウェントワース家の女主人ヴィクトリアは、破産寸前の家計に悩んでいた。双子の妹アラベラに手紙を書いているところに賊が侵入し、首を切られて命を落す。犯人は左耳も切断し、著名な美術品蒐集家フェンストンに送った。一方崩落したビルから生還したフェストンの美術コンサルタント、アンナは、付きまとう男の影に怯えていた。ゴッホの自画像を巡る会心作。
著者等紹介
アーチャー,ジェフリー[アーチャー,ジェフリー][Archer,Jeffrey]
1940年英国生れ。’66年に大ロンドン市議会議員として政界デビュー、’69年には最年少議員として下院入りを果した。一代貴族(ロード)。自らの体験をもとにした『百万ドルをとり返せ!』『ケインとアベル』などの著書はすべてベストセラー
永井淳[ナガイジュン]
1935年秋田生れ。埼玉大学卒業後、編集者を経て翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のっち♬
54
9.11テロ前夜、英国伯爵家の女主人の殺害を皮切りにゴッホの自画像を巡って話はスピーディーに展開する。読み落としのないよう注意が必要。ビル崩壊やタワー脱出の場面は迫真だが、テロはヒロインの身くらましのためだけに使われており、わざわざこの事件を扱う必然性は感じられない。絵画を隠す美術コンサルタントのヒロイン、殺し屋を雇って追跡する悪徳銀行家、FBI捜査官らがメインとなって目まぐるしく視点を変えながら、ニューヨーク、ロンドン、ブカレスト、東京とグローバル規模の追跡劇へ発展していく。さて、下巻でどう欺くのか。2020/08/26
優希
53
ゴッホの自画像にまつわる物語。読みやすくてのめり込みました。下巻も読みます。2022/04/16
komaneko
17
なんか、感想文が間違えて削除された、コレ~! ま、とにかく、J・アーチャーは面白いんで的な、再感想投稿。2016/05/25
鈴木拓
16
金で人を支配し貶めようとする金融会社の会長と、そこに解雇された主人公らが、ゴッホの絵の売買を巡って戦うサスペンス。ニューヨーク、ロンドン、ブカレストと、国境を越えて展開する物語は、映画を見ているような感覚で映像が浮かぶ。2019/12/04
さるる
13
作家さん初読。タイトルに惹かれて購入。巨匠の絵画を巡ってのサスペンス。場面が頻繁に切り替わるのだが、登場人物の続きがどうなるのかはらはらさせられ面白く読めた。スーツにスニーカーを合わせるニューヨークで仕事する女性はたいていタフに描かれる。比べてこの話に登場するFBI捜査官はちょっと抜けてるところがあって愛嬌があって好き。タクシーでの失敗は読んでるこっちもやっちゃった・・・って気分になる。9.11のビル崩壊場面がでてくるけど、アンナの生死と飛行機が飛ばない時間稼ぎに使われてるだけみたいでどうかなとも思う。2015/04/24