内容説明
ニューヨークのデパートを見学したチャーリーは、チェルシー・テラスに“一軒で何でも揃う店”を作ろうと決心した。ベッキー、ダフニ、ハミルトン中佐などを重役に迎えて、『トランパーズ』は動き出した。しかし、息子を溺愛するミセス・トレンザムの妨害工作はますます執拗を極め、ついに対決の時がくる―。当代随一のベストセラー作家が物語る、チャーリー・トランパーの苦闘の半生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
96
ニューヨークのデパートを見学したチャーリーは、チェルシー・テラスに『一軒で何でも揃う店』を作ろうと決心する。何かと妨害してくるミセス・トランザムとの戦略合戦が読みどころで、ミステリー要素も絡めて物語を盛り上げていく点に著者の強みが生きている。一方で、息子ダニエルと社員キャシーの接近にも注目させられる、ここではそれぞれ異なる視点から語られる本作の手法が効果を発揮しており、強引さを感じるがひと盛り上がり見せてくれる。多くを語らず読み手の想像に任せる部分もあり、ラストシーンは著者の作品の中でも格別の余韻を残す。2018/04/19
梵
7
視点が多いのでケインとアベルより濃厚さは減ったが、面白さは変わらず。トレンザムとの因縁がキャシーの登場でより面白くなり、結末は痛快。チャーリーが原点に戻るラストがよかった2019/12/11
monotony
7
上巻途中から面白すぎて、ほぼノンストップで読みきりました。トレンザムに騙されたベッキーをパートナーとして受け入れ、チェルシー・テラスの商店を着実に買収しながら成功へと突き進むチャーリーは、謎の死を遂げた宿敵トレンザムの恨みを晴らすべくその母ミセス・トレンザムから妨害工作を受ける。チャーリーが作り上げた会社の乗っ取りを企てるトレンザム一族、窮地に陥るチャーリーを救う鍵はトレンザムが別の女性に産ませたという、もう一人の娘。読者には想像がつく書き方になっていますが、真実を知った時のチャーリーの言葉には涙した。2014/07/30
MA
6
上巻に比べると爽快さは少なくなり、胸が痛くなる展開が増えた。 ラストシーンを読むと、この物語はチャーリーのための物語だったと感じる。2016/01/13
Kimi
5
最後までトレンザム母、息子に悩まされ続けるトランパーズ。最後のチャーリーのスピーチには涙。近いようで遠い数マイルの旅を終え、ホワイトチャペルに立つチャーリーの姿に感動した。2020/01/15