新潮文庫
CIAは何をしていた?

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  • サイズ 文庫判/ページ数 540p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102158210
  • NDC分類 319.53
  • Cコード C0198

内容説明

著者は1976年、CIAに工作管理官として入局。動乱の世界各地で目ざましい実績を挙げる。タラバニ現イラク大統領によるフセイン暗殺未遂事件、合衆国政府を揺るがせたオイルマネー・スキャンダルなどを担当。しかし、著者が痛感させられたのは、局内での情報収集能力の低下と事なかれ主義の蔓延だった。失意のなかで退局した元エース局員による、工作と謀略の現実を描いた痛憤の告発。

目次

第1部 工作員の誕生
第2部 大難の中へ
第3部 すべては自己の責任で
第4部 政治的教育

著者等紹介

ベア,ロバート[ベア,ロバート][Baer,Robert]
1953年、ロサンジェルス生れ。ジョージタウン大学卒業。’76年CIA入局。以後、’97年にいたるまで、主に工作本部対テロ部門のケースオフィサーとして勤務。赴任地はインド、レバノン、タジキスタン、イラクなど。’98年にはキャリアインテリジェンスメダルを受章。現在は米仏両国で二重生活を送る

佐々田雅子[ササダマサコ]
1947年生れ。立教大学英米文学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kwkmmsr

4
よく映画の中で出てくるようなスパイ活動を現実に行っていた元CIA局員による告発本。近年のCIAの情報収集能力の低下と官僚化(?)に警鐘を鳴らしてる。これを読むと、911テロがアメリカ政府の陰謀だとする説が、CIAのような組織の力を過大評価しすぎた考えから来ているのではないかと思えてくる。2008/11/25

Kan

3
映画「シリアナ」が面白かったので、基となったとされるこの本を読んだ。元CIAのスパイによる暴露本。映画とは結構違う内容だが、並のスパイ映画よりはるかに面白かった。大組織の官僚主義、事なかれ主義は現代の日本の霞ヶ関や永田町の現状とそっくりで驚くほどだ。真の愛国者とは?と読者に問いかけてくる。 中東やインテリジェンスに相当の知識がなければこの本を読みこなすことはできないだろう。自分もこの本の10分の1も理解できていないような気がするが、それでも読んでよかったと思える本だった。 2018/06/04

LOHASPO

3
これは面白いドキュメンタリーです。正直言ってスパイ小説や謀略小説を読む気分で手にとったのだが、まあ外れてはいなかったんだけど、どちらかというと山崎豊子の本に近いというか、地味な専門家に視点をあてている点が面白さの肝かな。実録下山事件とかの雰囲気に近いような、そんな感じです。2011/04/01

可兒

2
CIAがいかにスマートに、そして無能になってきたかを告発する書。本書に登場する、筆者と交渉をもったイラクのおっさんたちが、現イラク大統領だったり議長だったりするのが、工作対象の不変を示すようで面白い。映画の方は事実に即しようとしてエンタメ性を失ったらしい2009/01/02

さるぼぼキング

1
自己保身のための事なかれ主義、まるで霞が関かと思うような内容。 冷戦終結によって組織の大きな目的を失ったCIAの堕落は相当酷いようだ。 著者の中東での活動、収集した情報には911のテロを防ぐ手立てがあったのかもしれない。 特定の企業、個人の商益、組織の自己保身、それらが有用な情報の分析を誤らせ、もしくは見ないフリ知らないフリをさせ、結果、テロに繋がったとするならあまりにも残念。2011/07/13

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