新潮文庫
巡礼者たち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 350p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102150610
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

オンボロ車でふらりと牧場に乗りこんできたカウガール、友人の姉と恋におちる15歳の少年、泥棒を殺害した移民と奇術師の友情、トラックが故障してひまわり畑で立ち往生する兄妹―表舞台とは無縁の彼らにも人生の落とし穴があり、喜びと悲しみの溢れる一瞬がある。孤独、挫折、そして愛をかみしめながら生きる人々の姿を、シンプルな文章と独特のリズムで丁寧に描いた短篇12作。

著者等紹介

ギルバート,エリザベス[ギルバート,エリザベス][Gilbert,Elizabeth]
アメリカ、コネチカット州生れ。ニューヨーク大学卒業後、ジャーナリストとしての仕事を開始。まもなく初めての短篇小説を「エスクァイア」誌に発表、他誌での短篇掲載も続いた。そして「パリス・レビュー」新人賞、プッシュカート賞と代表的な新人賞をダブル受賞。ニューヨーク市在住

岩本正恵[イワモトマサエ]
1964年東京生れ。東京外国語大学英米語学科卒。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

葉子

26
最初は独特の雰囲気にとまどったけどすぐに夢中で読み進めていた。独特の孤独はきっとアメリカがあまりに大きいからだろうと思う。誰かを求めたいけど、その相手まであまりに遠いんだきっと。この本に出てくる短編はどれも好みだけど「花の名前と女の子の名前」「ブロンクス中央青果市場にて」「華麗なる奇術師」「最高の妻」は特に良かった。変わりたいけど、でも実際の人生はそんなに簡単に変えれるものじゃないよね。粒状のハチミツのような味がして皮は薄いキャラメルのようなイスラエル産イチジクは人生で一度は食べてみたいものにランクイン2014/01/27

ソングライン

19
アメリカの各地で暮らす人々の日常に起こる一寸した一瞬を切り取る短編集です。若者の夢、希望、危うさ、そして老人の美しい思い出など、小さな一つ一つの出来事の積み重ねがその人の人生を作っていく、焦る必要のない安寧がこの短編集につまります。2022/09/20

奏市

18
当たり前だけどアメリカにもそこここで何気ない日常があって、その中でのちょっとした非日常が映し出された短篇集。現代の作品だが、ちょい昔の時代設定が多い。江國香織さんのエッセイで取り上げてあり読んでみた。わかるなというのから、その国で生活していないと本当の機微はわからないんだろうなというものまで様々。『デニー・ブラウン(十五歳)の知らなかったこと』が良かった。若い頃は世間のことわからなくてもどんどん物事進んでいくし、気づいたら成長してた自分もいるだろうし。モンロー大統領についてのミニ知識も得られて良かった。2020/06/27

fseigojp

17
短編を味わう作品 アメリカ文学の強み2016/07/10

不在証明

11
「あんたの母ちゃんをファックした」という落書きがまだあって、その下には、違うペンで「パパ、もう帰りなさい。飲みすぎだよ」と書かれていた。―12編の物語、どれも内容は、振り返ってみれば懐かしき思い出、みたいな話なのに、一編に一つか二つこういうジョークを挟んでくるから油断ならない。唐突過ぎて吹き出す。2016/12/02

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