内容説明
慎み深い情熱と愛情を、人と同じようにギャンブルやスピードにもそそぐサガンはどのように私生活を愛しているのでしょう。文壇の寵児になった１９歳から３０年間に、サガンが出会った愛する人々（ビリー・ホリデイ、Ｔ・ウィリアムズ、オーソン・ウェルズ、ヌレエフ、サルトル）や愛する事物（賭博、スピード、芝居、サントロペ、愛読書）について繊細な感性で綴るサガンの最高の思い出。
目次
ビリー・ホリデイ
賭博
テネシー・ウィリアムズ
スピード
オーソン・ウェルズ
芝居
ルドルフ・ヌレエフ
サントロペ
サルトルへの愛の手紙
愛読書
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アン
102
親交のあった友人との出会い(ビリー・ホリデイ、T・ウィリアムズ、オーソン・ウェルズ…)、心惹かれた事物(賭博、スピード、サントロペ…)に関して、さり気ないユーモアと哀惜の念を込めて語られたエッセイ。半身不随の女性作家を勇気づけ支えるテネシーへの眼差し、人間として讃嘆するサルトルへ綴った感謝の手紙、影響を受けた一目惚れの愛読書。豊かな感受性を通し回想される友人との交流は、温かい愛情に溢れ心を打たれます。心理を論理的に洞察する聡明さや繊細さ。アカシアの花の香りが漂うような優しさが伝わるサガンの大切な思い出。 2021/01/21
ソングライン
21
ビリー・ホリデイ、テネシー・ウィリアムズ、オーソン・ウェルズ、ルドルフ・ヌレエフそしてサルトル、サガンと交友のあった人々の回想と賭博、スピード運転などの彼女の嗜好についての文章が交互に語られ、最後に若い彼女に文学を目覚めさせた4冊の本について述べるエッセイ集です。論理的、優しい文章で哀惜の情を込めて描かれる友人たちは魅力的で、特に半身不随となったカーソン・マッカラーズに寄り添い、人生を楽しむテネシー・ウィリアムズが印象に残りました。素晴らしい1冊です。2021/01/05
かすみ
1
昔サガンの自伝的映画を見て、なんて奔放な芸術家だろう、きっとわたしには理解できない、っておもったのに、この一冊で一気に愛着を持った。交友のあった著名人(皆スキャンダラスでチャーミング)の話、賭博と車、演劇と読書。カミュが禿げていたら。サガンの綴るべてのものを正しくイメージしたくて、常にWikipediaの浅い知識を求めた。サルトルへの愛が。ジッド『地上の糧』カミュ『反抗的人間』ランボー『イリュミナシオン』プルースト2022/03/10
🍭
1
ギャンブルについての語りが面白かった。2018/07/23
あきこ
1
こんなにも聡明な美しく無駄のない文章を書く人。サガンの著作を初めて読んだ。小説ではなく、自己を語ったものだ。サガンという人は文章とその人生がなんだか一致しない。この作品はユーモアに溢れ、正しい認識を持った大人の眼で語っている。お酒や薬におぼれた人とは思えない。作者はきちんと自分で世の中を判断し、人に媚びたり、人の目を気にしたりしない強さを持っている。素敵な人だ。いつまでも子供のような人だったのだろう。2010/10/06
