新潮文庫<br> 赤いワインに涙が…

新潮文庫
赤いワインに涙が…

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  • サイズ 文庫判/ページ数 213p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784102118191
  • NDC分類 953

内容説明

それはただ単に、交通渋滞のための遅刻だったが…。恋人を待つ1時間に人妻の心に去来した不信が招く愛の終り。夏の昼下り、夫の浮気を目撃しショックを受けた若妻は、ニースのカジノで幸運を8に賭けた…。いつしかなれあいになった夫婦関係で、離婚を決意する夫の心情。若者の残酷な愛のエゴとジェラシーなど男と女の微妙な恋愛模様を背景に、愛の皮肉と優しさを描く短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えりか

47
恋愛は難しい。いつ始まり、いつ終わるのか、全くわからない。そんな恋愛の機敏が描かれている短編集。心に残ったのは「早くも一年」。別れから一年後、かつて愛した男に出逢う女の心情は、同じような経験のある私にとって当時の気持ちを思い出させた。一年平気なふりをし、会うことになっても意識しすぎないように、でも綺麗にオシャレして会いたい、ドキドキする、でもそれを気付かれたくはない、もうあなたは過去よ。と何気ない風に会いたい。そんな女の心の葛藤が昔の私と重なり、読んでいて恥ずかしいような、なんだか懐かしい気分になった。2017/05/30

みも

41
作品構成そのものよりも、エスプリと呼ぶに相応しいその才知を感じさせるのは、散りばめられた修飾語の巧妙さ。だが『悲しみよこんにちは』で発露させたスズメバチの様な尖鋭な攻撃性は鳴りを潜め、まるでO・ヘンリーの様なナイーブさと優しさが勝っている。10~30頁程度の短篇、全13篇。国柄や時代背景に多彩な舞台を設えてはいるが、人物は至極類型的。彫像の様な肉体美を有するいわゆるイケメンと、男達を魅了するコケティッシュな女達。享楽的で頽廃的で、デカダンスの衣で着飾った人間達が繰り広げる恋愛模様。それほど読む価値は無い。2018/04/11

桜もち 太郎

16
久しぶりのサガン、13作による短篇集。性差、年齢差、人種差、階級差、当たり前のように不倫があったり、寝取られていたり。「ある決闘の結末」が良かったかな。良かったとは理解しやすかったという点で。全体的にスノッブな連中が闊歩する物語が多く、お腹が一杯になった。サガンてこんな作風だったかな。「悲しみよこんにちは」が若さゆえの残酷さが鮮烈すぎて、短篇はあまり入ってこなかったな。でも好きな作家なので読み続けよう。古書しかないんだよね。2024/01/27

ゆいぞう

8
フランソワーズ・サガンの短編集。それぞれの恋愛のハイライトを切り取ったかのような印象に残る話ばかり。愛に傲慢になっている時に読むとかなり耳が(目が?)痛い。表題作の「赤いワインに涙が…」が一番好き。小説も面白いけれど、フランソワーズ・サガンその人のスキャンダラスな人生もかなり面白い!次はインタビュー集「愛と同じくらい孤独」を読みたい。2018/02/10

ゆぽんぬ

4
サガンの短編集。男と女の微妙な恋愛模様を背景に、皮肉と優しさを描く。猫とカジノ、遠縁の従兄弟、赤いワインに涙が。2020/11/24

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