内容説明
神々がシーシュポスに科した刑罰は大岩を山頂に押しあげる仕事だった。だが、やっと難所を越したと思うと大岩は突然はね返り、まっさかさまに転がり落ちてしまう。―本書はこのギリシア神話に寓してその根本思想である“不条理の哲学”を理論的に展開追究したもので、カミュの他の作品ならびに彼の自由の証人としてのさまざまな発言を根底的に支えている立場が明らかにされている。
目次
不条理な論証(不条理と自殺;不条理な壁 ほか)
不条理な人間(ドン・ファンの生き方;劇 ほか)
不条理な創造(哲学と小説;キリーロフ ほか)
シーシュポスの神話
付録 フランツ・カフカの作品における希望と不条理
著者等紹介
カミュ[カミュ][Camus,Albert]
1913‐1960。アルジェリア生れ。フランス人入植者の父が幼時に戦死、不自由な子供時代を送る。高等中学の師の影響で文学に目覚める。アルジェ大学卒業後、新聞記者となり、第2次大戦時は反戦記事を書き活躍。またアマチュア劇団の活動に情熱を注ぐ。1942年『異邦人』が絶賛され、『ペスト』『カリギュラ』等で地位を固めるが、’51年『反抗的人間』を巡りサルトルと論争し、次第に孤立。以後、持病の肺病と闘いつつ、『転落』等を発表。’57年ノーベル文学賞受賞。交通事故で死亡
清水徹[シミズトオル]
1931年、東京生れ。東大仏文科卒。明治学院大学教授。『廃墟について』等の著書、カミュ、ビュトール『時間割』(クローデル賞)等の訳書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
優希
nakanaka
關 貞浩
たーぼー