新潮文庫<br> ロリータ

新潮文庫
ロリータ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 482p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784102105016
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鱒子

79
ハンバート ハンバート氏の告白実話の体を装った小説です。麗しくかつ悪魔的魅力の少女(ニンフェット)に翻弄される主人公。彼の一人称で語られる2部構成の物語です。ーー複雑な感情が大人の男と少女の間で揺らめく。奪い奪われる者の関係ではなく、お互いに狡猾で、残忍で、そして必要で。唾棄すべき欲望と奇怪な愛の世界。読了後に序文のはしがきだけでも読み返すと、また発見がある事と思います。2020/05/09

ちょこまーぶる

71
読後は疲労感満載の一冊でした。登録後400冊目の一冊で、古典的名著といわれるこの本を選んだけど、字が小さく行間が狭く、老眼鏡の僕にとっては厳しい状況の読書でした。ロリータという性愛感覚を一般的には異常な事のように思われているけど、読み進めながら何歳までがロリータ?とか自分の美的感覚に合致して愛おしいと思えた対象が低年齢だったという事だっただけじゃないか?などの感覚となり、誰しもの感覚の中に潜んでいる感情なのでは無いだろうかと言う思いがしましたね。ただ、その感覚に犯罪性を持ち込むことはいけませんが・・・。2018/12/13

metoo

45
ロ、リー、タ。舌の先が口蓋を三歩進んで三歩目に軽く歯にあたる。ロ。リー。タ。で始まる本書。12歳の少女のドロレス(愛称ロリータ)に一目惚れをし、彼女に近づくために下心からその母親である未亡人と結婚した文学者ハンバートの顛末。9歳から14歳までの少女で、ニンフ(悪魔的な)のような本性を表す選ばれたものたちをニンフェットと呼び偏愛する。独りよがりの自慰行為に似た理解不能なロリータへの愛は倒錯ではなく楽園なのか。こんな独白に最後まで魅了されたのは数々の比喩と耽美で悲哀に溢れたマジックに目が眩んだから。2014/08/11

syota

26
小説としてはよくできていると思う。過去の文学作品からの引用や言葉遊びをちりばめ、特殊な恋愛(と言えればだが)にロードノベルやミステリの味付けもされていて、最後はしっかり盛り上げて読者をひきつける。少女にしか興奮を覚えないハンバートの心境や苦悩も詳細に描かれている。しかし、ほかに身寄りのない十代前半の少女を、義父という立場を悪用して夜ごと性欲のはけ口にする彼の行為には、最後まで嫌悪感を拭えなかった。相手の心を無視した一方的な“愛情”は、ストーカーと同類の身勝手な欲望に過ぎないのでは。[G1000]2016/08/14

Phai

16
昨今よく聞くロリコンの由来となった作品。小児性愛の性癖を持つハンバートが逮捕後に逮捕に至る経緯を記した私小説、という体をとります。自身の性癖と世間の価値観とのズレを認識した上で自己を保つために自己正当化をする彼は、いつ自分の行いがバレるかもしれない、愛するロリータに離れられるかもしれないというストレスから、後の方に進むほど混乱した文章が多くなっていきます。客観的に彼の行動を評価すると異常犯罪者としか言えませんが、それを異常者自身の視点で観察し、その心理状態に注目したところにこの作品の価値があると思います。2018/02/27

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