新潮文庫<br> 冷血

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新潮文庫
冷血

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  • サイズ 文庫判/ページ数 640p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784102095065
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

カンザス州の片田舎で起きた一家4人惨殺事件。被害者は皆ロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。このあまりにも惨い犯行に、著者は5年余りの歳月を費やして綿密な取材を遂行。そして犯人2名が絞首刑に処せられるまでを見届けた。捜査の手法、犯罪者の心理、死刑制度の是非、そして取材者のモラル―。様々な物議をかもした、衝撃のノンフィクション・ノヴェル。

著者等紹介

カポーティ,トルーマン[カポーティ,トルーマン][Capote,Truman]
1924‐1984。ルイジアナ州ニューオーリンズ生れ。21歳の時「ミリアム」でO・ヘンリ賞を受賞(同賞は計3回受賞)。’48年『遠い声 遠い部屋』を刊行、早熟の天才―恐るべき子供、と注目を浴びた。晩年はアルコールと薬物中毒に苦しみ、ハリウッドの友人宅で急死した

佐々田雅子[ササダマサコ]
1947年生れ。立教大学英米文学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

268
読み終わって、静かな感動の余韻に包まれる。実に優れた小説だ。綿密な取材に基づいた「ノンフィクション・ノベル」という手法だとされているが、本作はその本来の意味において、明らかにフィクションである。一見、時間軸に沿っているかに見える構成だが、これも実によく工夫されている。また、個々の人物それぞれの人間造形に優れるばかりでなく、カンザスの風景感や空気感の描出が素晴らしい。本書のテーマは、いろいろな捉え方が可能だろうが、1つには死刑の是非だろう。そして、その深奥には「生」の意味が根源的に問いかけられているのだ。2012/09/13

みも

217
「ノンフィクション・ノベル」の嚆矢にして圧巻の完成度。類例を見ない綿密な記述がこの著作の神髄。随分時間を要したが圧倒的な読み応えに没入した。被害者、加害者のみならず、その家族や周囲の人間や判事、検事、弁護士、捜査官、そして他の死刑囚の心象にまで言及し、構成を多角的にする事で社会の闇や歪みをも浮き彫りにする。著者の姿勢は基本的に冷徹に徹するも、加害者(ペリー)の生い立ちや境遇への憐憫が仄見える記述もある。著者がいかにこの葛藤に苦悶したかが痛切に伝わる。かくも過酷な人生の悲哀…読後に訪れるのは虚脱感と無常感。2020/08/11

のっち♬

166
1959年のカンザスの農場主一家惨殺事件の顛末を5年余りの綿密な取材の元に再構築した物語。人物描写が丹念で、背景にある家族の絆まで浮き彫りにしており、緊張と混乱に満ちたペリーの人生が引き立っている。時系列を基調としながら過去を随所で盛り込む構成も存分に生かされており、淡々とした筆致が生み出す緊張感は600ページに渡って弛緩しない。果たして本当に「冷血」なのは誰なのか?両親の残忍性と無関心の中、指導も愛情もなく育ったペリーに対する著者の憐憫や家族愛への憧憬は、処刑以降のデューイ捜査官の想念によく現れている。2021/05/08

修一郎

146
筆者の主観を消し去り事実を書き連ねる手法のノンフィクションノベル。理想的な家族だったクラッタ―家も悲惨な生い立ちで世の中を恨むペリーも同じ視線で描き綴られている。カポーティ自身はペリーに共感していたと言われているのに文章には全く現れない。ひたすら緻密に細部までみっちりと。で,御本人はジャーナリストとしてちょこっと登場するのみ。思いは精神科医の陳述やウィリー・ジェイの考察で表現しているのだ。情報収集にあたり録音/メモを一切用いなかったというのに驚嘆した。やはり凄い本だった。次,高村薫先生版「冷血」へ。 2020/06/10

ケイ

140
人を殺してはいけないのだ。「汝、殺すなかれ」 『冷血』を書き上げる間、カポーティの頭を何度もよぎったのではないか。良い作品というのは、読む人それぞれのどこの琴線に触れてくるかは全く違うと思う。私には、このメッセージがとても強く響いた。殺されてしまった家族の描写、彼らが人生の最後に感じたであろう苦しみや無念。殺人者に対して沸き起こる、集団リンチ的感情。そして、極刑。どういう場合であれ、人は他人の命を奪っていいのだろうか。最後の数十ページの感情を排したような記述に、作者の苦悩を見るようだ。2015/10/24

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