内容説明
父親を探してアメリカ南部の小さな町を訪れたジョエルを主人公に、近づきつつある大人の世界を予感して怯えるひとりの少年の、屈折した心理と移ろいやすい感情を見事に捉えた半自伝的な処女長編。戦後アメリカ文学界に彗星のごとく登場したカポーティにより、新鮮な言語感覚と幻想に満ちた文体で構成されたこの小説は、発表当時から大きな波紋を呼び起した記念碑的作品である。
著者等紹介
カポーティ,トルーマン[カポーティ,トルーマン] [Capote,Truman]
1924‐1984。ルイジアナ州ニューオーリンズ生れ。21歳の時「ミリアム」でO・ヘンリ賞を受賞(同賞は計3回受賞)。’48年『遠い声 遠い部屋』を刊行、早熟の天才―恐るべき子供、と注目を浴びた。晩年はアルコールと薬物中毒に苦しみ、ハリウッドの友人宅で急死した
河野一郎[コウノイチロウ]
1930(昭和5)年大阪生れ。東京外語大英米語学科卒。東京外語大名誉教授。専門は、現代イギリス小説、児童文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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