新潮文庫<br> 林檎の樹 (72刷改版)

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新潮文庫
林檎の樹 (72刷改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 137p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102088012
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えりか

56
26年ぶりに訪れた地で、春の花が咲き乱れる美しい情景と甘くて苦い初恋の記憶が甦る。暖かな空気の中、全てが夢の中のよう。林檎の樹の下で語った愛。夜中の窓辺の密会。痛みと共に思い起こされる初恋。人生でどんなに最善を選択したつもりでも、きっと最善はない。後悔も罪悪感もなくならない。天秤にかける時もある、誰かを傷つけることもある、損得で選ぶ時もある。それでも選んでいかなければならない。何が大事なのかで選んでいきたい。妻の「なにかが足らない」という言葉には、純真無垢なミーガンの悲しい不在を暗示しているように感じる。2017/12/30

ゆのん

46
イギリスの田舎の風景がとても美しく描かれている。主人公の学生時代のロマンスが描かれているが、美しい思い出とは思えなかった。時代を考えると仕方の無い事なのかもしれないが主人公の身勝手さに少々ガッカリさせられる。田舎に来た開放感と美しい春が心を狂わせたのかもしれない。それにしてもミーガンに全く誠意を見せず姿を消した主人公には共感できなかった。2018/02/03

猫丸にゃん太

42
ノーベル文学賞作家のゴールズワージーによる恋愛小説。伊豆の踊り子にも影響を与えた作品で、階級の差が男女の心に溝を作ってしまう悲しいお話。舞台はイギリスの田園地帯で、エリート青年が田舎に遊びに来て、そこで貧しい農家の娘と恋をする。視点は常に青年で、話の中盤までは物語りは静寂の中で展開し、全ての感情が水彩画の様に淡い。しかし、ラストの展開はとても悲しい気持ちになった。青年の深奥に宿る自分勝手な心と少女の純情な心が対照的に描かれている。自然描写は静寂の中に耽美な世界が描かれていて、影絵の様な美しさを感じる。2015/03/25

emi

36
短くシンプルな話の中、どれだけの植物があふれていただろう。時代も国も違えば常識も変わる…悲恋の物語は絶えず美しい自然描写と共にありました。淡い色彩で言葉の美しさを味わう作品です。林檎の樹の下で、あなたにもう一度会いたい…ミーガンの胸の内を思うと居たたまれない。「たんぽぽ娘」なら素敵に収まるけれど…。若かりし頃の移ろいやすい男の気持ちの描写が、実にありありと書かれていて、まさに身勝手としか言いようがない。ただ「ほんの一時の気の迷い」の代償を長い時を経て払うと、痛みは年月の重さだけ胸を抉って苦しむものですね。2017/09/19

おじいやん featuring おじいちゃん( ̄+ー ̄)

34
男は論外だがだが結局はあるまじき男のたかだか青春の1ページにしかなりえる事が出来なかった女にもただ憐憫の情を与えるだけでとてもじゃないが味方は出来ません。悲劇に酔ってんじゃないの?彼女の品格をそこまで貶めた男の罪は重い。2016/12/01

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