新潮文庫<br> 城 (改版)

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新潮文庫
城 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 640p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102071021
  • NDC分類 943
  • Cコード C0197

内容説明

測量師のKは深い雪の中に横たわる村に到着するが、仕事を依頼された城の伯爵家からは何の連絡もない。村での生活が始まると、村長に翻弄されたり、正体不明の助手をつけられたり、はては宿屋の酒場で働く女性と同棲する羽目に陥る。しかし、神秘的な“城”は外来者Kに対して永遠にその門を開こうとしない…。職業が人間の唯一の存在形式となった現代人の疎外された姿を抉り出す。

著者等紹介

カフカ,フランツ[カフカ,フランツ][Kafka,Franz]
1883‐1924。オーストリア=ハンガリー帝国領当時のプラハで、ユダヤ人の商家に生る。プラハ大学で法学を修めた後、肺結核で夭折するまで実直に勤めた労働災害保険協会での日々は、官僚機構の冷酷奇怪な幻像を生む土壌となる。生前発表された「変身」、死後注目を集めることになる「審判」「城」等、人間存在の不条理を主題とするシュルレアリスム風の作品群を残している。現代実存主義文学の先駆者

前田敬作[マエダケイサク]
1921‐2003。大阪・摂津生れ。東京帝大独文科卒。京都大学名誉教授。ゲーテ、カフカ、トーマス・マンなどの訳書がある
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

479
物語内の時間はわずかに6日間である。そこまでに600ページ超を費やしつつ、城との関係で言えば、なんら本質的な進展はない。しかも未完である。そもそもこの小説に完結ということはあり得るのか。時間軸が延びたとしても、Kが城にたどり着くことは永遠にないのではないか。城そのものと村で生起する諸々の事柄は、それ全体として「世界」の喩であると言ってしまうことも、あるいは可能であるかもしれない。従来から指摘されているように、語りは三人称体をとりつつ、作家自身の一人称とも重なり合う。そうすると物語のあてどなきがごとき⇒2022/08/19

こーた

268
手にした本は『城』というタイトルだった。測量師のKが、雇われて城へ向かうはなしだ。城とは何か。村へたどり着いたKは、城の周辺を歩きまわるも、門は硬く閉ざされ、その全貌は雪に覆われて遠く仰ぎみることができない。何とか城に連絡をつけようと、宿や酒場に出入りもするが、担当者はつかまらず、現れた助手は意味不明で要領をえない。仕事とは何か。とにかく城へ行かなければ。城へ行けば、何とかなる。Kは城へ、向かう?え、ちょ、向かえよ、城に。何やってんだ?行けよ!K!城に!あれ、これ何のはなしだったっけ。わからなくなって⇒2020/05/02

ケイ

151
城、それは全く正体がわからず不気味で辿り着けないところ。城と違って存在ははっきりしているが、全く何者かがわからないのはKである。彼は本当に測量士であるのか。そもそも本当は何をしに来ていて、どうして出て行かないのだろうか。そこの人間はとても閉鎖的であるが、彼への興味を隠そうとしない。彼に近寄る者、距離を置く者、虐げる者…、彼への対応は様々で、その対応が彼らの性格を示しているかのようだ。人は他人から認められるようにしか存在しない…、特に最後のやり取りでそう思った。2016/03/29

康功

124
オーストリアの少数派ユダヤ人として生まれたカフカは、幼少期から自分の存在する国をもたなかった。小説の中のKは、カフカの隠喩。城に測量士として来たはずのKは、城に到着することもできず、測量の仕事もすることができない。人間とは、職業が唯一の存在形式で、職業を持たない人は存在しないも同然である、と考えられる。現実世界にも存在する様々な不条理は、小説の中では滑稽に異様に表現されているが、そういう立場の人達は、沢山現代にもいるはずである。納得できない事も折り合いをつけて生きねばならない時も、、、ある。2016/09/05

jam

110
ひと頃、カフカを好んで読んだ。カフカの不条理をどう解釈し、どう導くのか議論には事欠かなかった(誰とも議論はしていないが)。見方を変えることで神にも悪魔にも世界は傾くことを、カフカに学んだ。この「城」も例外ではない。久しぶりに読んだが感慨はない。そもそも、そういう物語であり、類推し分解し放逐するだけなのだ。このじれったい、意味を持つことを良しとしない、遠く近づけない、そして入れない城は、世の不条理の合せ鏡のように在るようで無いもの。未完であることがふさわしい作品であり、嫌いではない(いや、好きかも)。2016/10/10

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