新潮文庫<br> 光あるうち光の中を歩め (改版)

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新潮文庫
光あるうち光の中を歩め (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 160p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102060124
  • NDC分類 983
  • Cコード C0197

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

166
二人の友人の人生の歩みを綴った物語。裕福な家に生まれたユリウスは、奴隷の子供パンフィリウスとの議論の中で、初期キリスト教徒に生き方について話し合う。パンフィリウスは敬虔なキリスト教徒の人生を選び、ユリウスは世俗の中で政治に参加し世の中を良くしようと志す。しかし、心の底ではパンフィリウスの生き方に惹かれるものがあった。時が過ぎ、幾たびかユリウスとってキリスト教徒への生き方を選ぶ時期が訪れるのも、そのたびに世俗のことに気に取られて先延ばしにしてしまう。そして老年に入ってやっとキリスト教徒の道に入る。2016/08/13

kaizen@名古屋de朝活読書会

141
トルストイ苦手意識から本棚に積ん読だった。標題同様、当たり前といえば当たり前の事あり。キリスト教がキリストの弟子達の時代からの変遷を覗いすることができるかもしれない。2014/05/05

新地学@児童書病発動中

123
いかに生きるかを問いかけるシリアスな作品。以前知っていたシスターのことを思い出した。鞄一つの財産しか持たず、教会の命じるままに各国の教会へ派遣される生活。それでもその人はいつも朗らかで、美しい女性だった。あの輝きはこの小説にあるように神の言葉に従っていることから来るものだろう。四角四面に従うのではなく、喜びを持って従うのだ。パンフィリスに似ている。この小説はイエスが全ての人を平等に愛したという福音を伝えるものだと思う。福音は喜びであり、この小説の不思議な明るさはそこから来るのかもしれない。2014/03/30

猫丸にゃん太

59
幸福になるためにはどうすれば良いか?人々は自己の欲望に振り回され一喜一憂し心は揺れ動く。時にそれは自己を絶望へと導く。この本でトルストイはキリストの教えに忠実に生きることを勧める。自己の欲望を捨て他人のために生き、全てを等しく愛し、神の忠実なる僕となる。こうすることで初めて真の幸福が訪れると説く。現代社会で平凡に生きる僕にとっては堅苦しく感じたが、敬虔な宗教徒の理解には多少なりとも貢献した。そして物語としては感動的である。2014/12/02

aika

51
放蕩の限りを尽くした青年時代を送り、やがて苦労して築いた財産も贅沢三昧の息子のために失う因果を背負ったユリウスの苦悩は、人間の弱い性を克明に刻んでいます。古代キリスト教徒として神の意志と他者の幸福を何よりも重んずる友人パンフィリウスに幾度となく諭され、長い逡巡の果てに信仰の道に入るが…全てが遅すぎたと悔やむユリウスに老人が語りかける言葉は、これまで繰り返してきた放埒すらも、全てが真実に目覚めるために必要だったのだと、彼の人生を照らしてくれ確かな意味を与えた光だと感じます。解説は訳者のご子息・原卓也先生。2021/04/29

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