内容説明
ドイツ国王、神聖ローマ帝国皇帝として中世から近代に君臨したハプスブルク家は、兄弟全員による相続と巧みな政略結婚で勢力を広げた、ヨーロッパ随一の王家である。だが、その華やかな歴史の裏では、常に男女の愛憎が渦巻き、醜い権力闘争が絶えなかった。名古屋弁を駆使した架空会話で王様・お姫様らの本音を再現、エッチなエピソードも満載した“講談調世界史”。ご堪能あれ。
目次
一九一四年六月二十八日
西ローマ帝国と神聖ローマ帝国
ハプスブルク家とA・E・I・O・U
遊牧民がつくった世界史
ハプスブルクの錬金術
オスマンの脅威
狂女王フワナ
ハプスブルク・スペインの誕生
帝国の光と影
三十年戦争の惨禍〔ほか〕
著者等紹介
中丸明[ナカマルアキラ]
1941(昭和16)年ソウル生れ。同志社大学卒業。出版社勤務を経て、執筆活動に。’68年より毎年スペインに滞在する。『京城まで』で日本旅行記賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
♪mi★ki♪
18
わかりやすくてお下劣な西洋史。面白くて読みながら何度か吹いた。…が、人が覚えられない〜。家系図と肖像画見ながら、そのうち再読しよう♪ 世界史苦手でも楽しく教養をつけ完読できる有り難い本。2018/10/27
おとん707
10
ハプスブルク一千年の歴史をその背景も含めて語るということは欧州世界の歴史そのものを語ることだというのがよく分かった。つまり塩野七生が欧州世界史をローマ人の視点で語ったのに対して本書はハプスブルク家の視点で語ったと言える。ただしそこは著者一流の語り口で、その切り口もあまたの皇帝、教皇、王、諸侯らと彼らを取り巻く女性たちが「股間」を活用していかに歴史を作ったかというユニークなもの。なので些か品位には欠ける。また差別用語も頻出するのでお勧めはしないが面白い。それにしても複雑な話で一読で理解するのは難しかった。2022/01/29
白義
10
ゲスいお下劣講談調でハプスブルクを中心にした西洋世界の歴史のあの人この人が端から端まで(主に下半身関連で)こき下ろされまくる。狂女王フワナやカルロス5世とハプスブルクの歴史を彩る人々のエピソードは面白いのだが、遊牧民族の衝撃やイスラムからの影響など、わりとオーソドックスに世界史しすぎているので、もっとハプスブルクメインでいってもよかったかも。前作「絵画で読む聖書」に続き、登場人物の口調が何かしら理由をつけて名古屋弁にするのは凄い。たまに滑ってるところもいかにも雰囲気にあっている2014/01/04
BIN
9
ハプスブルクというかハプスブルクを中心に西欧1000年を書いてる感じです。著者の特徴なのか知りませんが、会話文がすべて名古屋弁?かなんかで非常に読みづらいし、わざと下品な言い方をしている。かつ下の話が多すぎる。最初はなんとも思いませんでしたが、あまりに多く辟易しました。他書ではあまり見受けられないエピソードが多々あるのは良いが、マイナスの方が上回っている。人を選ぶ一作。2018/07/25
スミレ雲
5
【図書館本】単行本版を読んだ。名古屋弁の箇所が慣れず、思考が止まる印象を持ってしまったが、途中あたりから慣れてきて、違和感なく読むことができた。 内容的には、とても面白かった。ヨーロッパの、ユーラシアの中世から近代までの歴史を「神聖ローマ帝国」という視点で語られて、その中核に「ハプスブルク家」があったということで。2018/05/13