内容説明
三歳児が家族を、そして世界を変える!父は安月給のダメ社員、母は深刻なパチンコ依存症。シングルマザーの娘に登校拒否の息子。そして痴呆気味の祖父。冴えない海野家の唯一の救いは、愛らしい三歳の孫、穂足だった。だがそんな穂足が事故に遭ったことをきっかけに、一家それぞれに不思議な力が芽生えて…。読めば希望が湧いてくる、小さな救世主とその家族をめぐる奇跡の物語。
著者等紹介
梶尾真治[カジオシンジ]
1947(昭和22)年、熊本生れ。少年時代から小説を書き始め、’71年「美亜へ贈る真珠」で作家デビュー。短編を中心に活動を続け、代表作は『地球はプレイン・ヨーグルト』(星雲賞受賞)、『未踏惑星キー・ラーゴ』(熊日文学賞受賞)、『サラマンダー殱滅』(日本SF大賞受賞)など。2003(平成15)年には、『黄泉がえり』が映画化され、原作、映画ともに大ヒットを記録(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BlueBerry
47
序盤は家族がそれぞれ持つ屈託の説明で、それが結構長いものだから読んでいて辟易してしまいます(笑。序盤はある程度読み飛ばすくらいが丁度良いと思いました。必要なら読後再び読み返せば良いと思いますが、それもおそらく必要ないでしょう(笑。穂足が意識を失ってからは奇想天外な部分もありましたがなかなか楽しかったと思います。ちょっと長いけれどスムーズに読めたのでお勧めしておきます。2013/10/09
りょうこ
43
少し不思議なお話でした。こんな感じの話し好きだー!(笑)結構な厚みがあるのですが波にのれたので一気に読了です。中盤からSF?なのか方向性がよくわからなくなりましたが、それもなんだかどうでも良くなるぐらい一気に読まされました。そのうち私にも幸福の握手が回ってきたら良いな。2012/03/16
た〜
29
やっぱり登場する機敷埜老人(笑)それから月代さんって、お侍さんの頭かよ。読み方は「さかやき」じゃなくて「つきよ」だけど、どうにも頭のなかでちょんまげ頭の剃った部分に変換されててしまう。閑話休題。不思議な力で人々を善良に変えてしまう話。一見素晴らしいことに見えるけれど、活力を失って人類衰退に繋がる恐ろしいことだと思う。まあそれこそが「全存在」の狙い目なのだろうけど。2017/06/13
HaruNii
18
されぞれが問題を抱える家族たち。その中にいる子供穂足が奇跡を起こし、家族それぞれの弱みを克服する。 この家族だけ救っても周りの人が不幸になるのではと思いきや、穂足のチカラは家族だけにとどまらない壮大なチカラだった。 全ての人間何かしら悩みを抱えているが、自分の気持ち次第で変えられるんだという気持ちにさせてくれる気持ちのよい作品。一つ注文があるとしたら、月代の借金はパチンコ以外の方法で返済してほしかった。 2016/11/26
佳乃
18
凄く不思議な話。穂足が事故にあったことで、今までバラバラだった家族が一つになること。そして、心に何かを抱えていたはずなのに解消されていくこと。穂足が人類を明るい未来に還る存在であったこと。凄いな、穂足がいるだけで心が和む。2014/01/02