内容説明
バリバリの新右翼リーダーだった著者は、スパイ粛清事件の実行犯として逮捕され、懲役12年の判決を受ける。留置場や刑務所には、かつて世間を騒がせた“ビッグ”たちがひしめいていた。「三越事件」の社長、「ホテル・ニュージャパン」のあの人、「金属バット殺人」の彼…。有名人の知られざる生態、長期刑務所という極限空間の奇妙な日常生活を描いた、異色の「笑える」獄中体験記。
目次
1 素顔(留置場のビッグたち;千葉刑務所の有名人列伝;右も左もない世界)
2 狂気(戦艦大和が飛んでいる!?;厳正独居―十一舎での日々;恐怖の八王子医療刑務所)
3 境界(カッパとチンコロは派閥でかわせ;「神のサイン」で、つい殺人!?)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
団塊シニア
45
12年間の刑務所のなかでの非日常の空間を赤裸々に語っており、三越事件の岡田茂や金属バット殺人事件の犯人とのエピソードは興味深い内容である。2015/07/09
はらぺこ
42
テレビ等で名前を知ってる受刑者の話や囚人達のエピソードはオモロイし獄中の話も興味深い。楽しめたけど被害者が存在すると思うと少し複雑な気分になった。 とりあえず捕まる様な事は一生しないでおこうと思う。他人事やから暢気に読んでられたけど我が事やと考えると中に入りたくないわ。2011/06/29
kinkin
17
刑罰としての刑務所であっても、現状は更正のための刑務所ではない状態。犯罪が繰り返されることは当たり前になっていないか。刑務所という建前の世界を著者が見事に覆している。2013/05/17
黄色と橙
11
グロいのもエグいのもわりと平気なタイプだけど、これはキツかった…。実際の性犯罪を含む凶悪事件の犯人が登場しますが、彼らが"反省"や"更生"していく描写は皆無なので、特に女性はご注意を。とはいえ、価値ある本であることは間違いありません。フィクションでは度々登場する塀の向こう側ですが、実際のところはなかなか窺い知ることはできないので。しかしこの状況下で執筆活動をしていたとは…2012/06/08
叛逆のくりぃむ
8
『天皇ごっこ』の著者による獄中記。ユーモラスな筆致で、明るく獄中生活を描いている。『調律の帝国』を読んだ私からすれば、やや肩透かしを食らう。2016/12/26