内容説明
作家の「私」が旅先で出会った女は、誤って死なせた女によく似ていた―表題作。ほかに独り旅に出た「私」がスダマと名乗る怪しい女に出会い、そのとたんに山が鳴る「すだま」、雪山の小屋にこもった「私」が異次元の世界に入り込む「洞喰沢」、山あいの小さな温泉郷に泊まった「私」が聞かされた“ぐじ”とは?―「ぐじ」など、ミステリアスでエロティックな男と女の六つの物語。
著者等紹介
椎名誠[シイナマコト]
1944(昭和19)年、東京生れ。東京写真大学中退。流通業界誌の編集長を経て、現在は作家、「本の雑誌」編集長、映画監督など幅広い分野で活躍。著書に『アド・バード』(日本SF大賞)、『犬の系譜』(吉川英治文学新人賞)など
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感想・レビュー
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けいちゃっぷ
7
出だしはエッセイか私小説かよと思ってたら、旅先でちょっと異常な目に遭うのですね。だけどたとえ前フリでも、不倫がどうこうとか旅先で出会った女と関係しちゃうとか、そんな話しをシーナに求めてるんじゃないんだよ。どちらかというとシーナに求めてるのは「日常の非日常」でなく「非日常の日常」なんだ。358ページ2010/05/13
nyanlay
2
十年ぶりくらいに椎名さんの作品を読みました。最初は「ん?」と思ってしまいますが、うまい所を突付かれた感じです。また他作品も読みたくなりました。2009/07/24