新潮文庫<br> 鉄塔のひと その他の短篇

新潮文庫
鉄塔のひと その他の短篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 241p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101448213
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

山歩きの途中、男は偶然見かけた古い鉄塔の上に小屋を建てて、奇妙な空中生活を始めた。厳しい冬にも耐え、ようやく春が訪れたのだが…(『鉄塔のひと』)。ある秋の朝、庭先に一人の女がいた。まるで妻のようにふるまうのだが、まったく見覚えはない。しかも困ったことに、私には妻に関する記憶がなかった!(『妻』)。シーナ的発想が産んだ摩訶不思議な世界を描く短篇十連発。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キジネコ

22
ひかひかひか・・・と吠える犬。けけけけ・・と笑うサイコ男。日常とはなんだろう?見えている世界が全てではない。シーナマコトがポンと投げてよこす皮肉な笑いと「死」がまとわりつく物語の問いかけ。「妻」のオチ、自分を殺してくれる相手を求めて街をさまよう「やもり」、暴走する自治会「風雲欅台住宅」が面白い。「鉄塔のひと」の寂寥感は、何? 、物語りが我が内なるドアを叩く・・見せかけに騙されてはイケナイ・・ 作家は言葉の毒を使う・・・笑わない椎名誠に見つめられ不思議な感覚に絡め取られる。これは・・罠だ! 2013/05/24

やまゆ

9
ある日突然妻が知らない人になってたらわかるか?そんなようなこと私も考えたことあるけど、シーナさんの手にかかれば滑稽にも恐怖にも感じられてゾゾッとする。2015/10/23

ゆのまる

8
高校の国語の教科書に載っていたことを思い出しつつ購入。やっぱり「鉄塔のひと」がいちばんおもしろかった。鉄塔の上で生活する男の楽しそうな様子といったら。ブラックユーモアともまた違うけれど、種明かしされないままぞくりとする感覚を残していく短篇集。2013/10/22

可兒

7
子供のころの夢そのままの「鉄塔のひと」に敬服。どことも分からない舞台と独特の言語感覚は健在2008/12/13

けいちゃっぷ

7
私小説よりは面白い。異常な世界ではなく、日常の異常ものが多いか。2008/10/19

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