新潮文庫<br> 中国の鳥人

新潮文庫
中国の鳥人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 249p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101448190
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

商用で中国奥地を訪ねた男が、ふと立ち寄った少数民族の村。そこでは人が空を飛んでいた。幻を見ているのだと思いつつも、いつしか現実との境目がわからなくなり…(「中国の鳥人」)。タクシー運転手の饒舌にうんざりして、思わず口走った小さな嘘が招いた悲劇とは(「たどん」)。妄想が産みだす恐怖と笑いに満ちた不思議な世界へ読者を誘う幻想譚八編。著者の短編小説リストを収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ブラックジャケット

18
椎名誠の熱心な読者ではないで、本作のぶっ飛んだ内容には驚いた。表題作の「中国の鳥人」は自由なイマジネーションの作品だが、90年代の中国観が垣間見える。この時代限定か。「月下の騎馬清掃団」は謎の来訪者の一篇。「思うがままの人生」はスーパーマン外伝。「ちくわ」は酔っ払いの 大暴走の果て。「蚊無し川」幻想的な味が捨てがたい。「たどん」は面白い。タクシー運転手と乗客のとりとめの会話からの大エスカレーション。「鯨女」は楽屋オチの一種か。「スキヤキ」のSFテイストもいい。宇宙軍帰還兵も家に帰ったらスキヤキだね。 2024/03/02

ぽち

14
大大大好きなシーナSF、と言ってもSFガジェット的なのは大友克洋的サイバネティックな「思うがままの人生」と"北政府シリーズ"を想起させる(やや)ディストピアもの「スキヤキ」くらいかな?他編は奇想小説、ストレンジ・フィクション系列で、シーナ作品の中に於いては「超常小説」というラベリングになるそう。エキゾ感も素晴らしい表題作ほか、極短いながらもスリップストリーム度、没入感も最高な短編が並ぶ作品集。2020/09/16

けいちゃっぷ

10
SF短篇集かと思ったら少し違った。 ほとんどが日常から非日常に変貌していくものなのだが、読みたいのは非日常の中での日常モノなのだ。 特に北との戦争ものね。 「スキヤキ」が一番それに近かったけど。 でも、たまにはシーナを読むのもいいものですね。 ただし「中国の鳥人」には一部おぞましい記述がありますので、食事中は読まない方がよろしいかと。 249ページ 2015/08/23

シャル

10
椎名誠の空想的短編集。とはいえシーナワールドというよりは、現実の延長線上で口を開けている怪奇の集合作品といった趣き。多くの話がどこかにありそうな日常からはじまって世界が奇妙な変容を見せるというものだが、その変容がいかにも独特で、不思議なおぞましさを感じさせる。個人的に印象に残ったのは突如現れた夜中の掃除団の静かなドタバタが愉快な『月下の騎馬清掃団』とタクシードライバーとの会話が恐怖に繋がっていく『たどん』の二作品。特にたどんは幻想要素も殆ど無く、静かな恐怖がジワジワと狭まってくる感じが恐ろしい。2015/05/27

あにき

4
電子版。『旅する文学館』シリーズ版。紙版の文庫で読んだような気もするなぁ(^_^;)これも残っていない。2016/11/13

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