新潮文庫<br> 哀愁の町に霧が降るのだ〈上巻〉

新潮文庫
哀愁の町に霧が降るのだ〈上巻〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 371p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101448060
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

75
シーナさんの青春三部作の第一弾。自伝的小説と言えばカッコいいけど、若かりし頃の貧乏話。友人達とのおバカな共同生活。このテイストの椎名節は大好きだ。これを読むと自分の昔のことも思い出しますね。大学生の頃って貧乏だったけど、当時は貧乏そのものを逆に楽しんでいたような気がする。鯖の水煮缶と白菜のみの「よろこびの鯖鍋」とか食べましたよ。★★★★

瑞佳

44
本棚の整理をしていてふと目について思わず読んでしまう。ぐぅ、やっぱりおもしろい。椎名さんはわたしがまだ小娘の頃、この人となら人生棒に振ってもイイと思えるくらい惚れ込んでいた作家さん。当時はご多分に漏れず「ちょっとブンガク的な不良中年」というのがツボだったのだ。今でもそうだけど。若き日のシーナと愛すべき悪友どもとのオロカで愛しい日々。怒り悩み罵倒しケンカに明け暮れひたすら酒を飲む。これがしみじみと面白く、そして切なく、しんと悲しい。この独特の「おもしろかなしずむ」は彼の真骨頂だ。2017/09/21

キク

25
椎名達の青春期の自伝小説。男4人の3年間の共同生活。僕は男子校での寮生活を過ごしたので、とても懐かしかったです。基本的にバカである男の子が、親の保護から抜け出した後、社会に出ていくまでの期間はとても短い。高校、大学時代を足しても7年しかない。そして、男連中で本気でガッツリつるめるのは、その時期しかない。バンジージャンプや仮想家族生活とか「大人になるための儀式」って世界中に沢山あるけれど、それくらいしないとバカな男子は大人にはなれないって事だと思う。椎名や僕にとっての儀式は、友達との共同生活だったんだろう。2020/12/09

OHモリ

24
・この本の主な登場人物でもある沢野ひとしさんの「ジジイの片づけ」という本を読んでから、長年ため込んでいた本を始末しようとして発掘した椎名誠さんの本がめっちゃ沢山!懐かしくなって再読し始めたら面白くて止まらなくなってしまった。 ・当初は全部事実だと思って読んでいたような気がするけど、実はいったいどこまでが事実でどこからが創作なのか不明な椎名誠の自伝的私小説的作品。2023/07/02

キムチ27

18
とっかかりは 結構だるくて、なかなか楽しめず。早い話が若い男性がたむろして、蠢いて、エネルギーのはけ口を求めて、うだうだしている。そんな空気を全く知らないと楽しむというより「ふ~ん」という感じ。だんだん盛り上がり、闇鍋もどきや女の子をめぐる盛り上がり、就職仕事探しが展開していく。時代の縦切りで言われる「世代間相違」とは異にする横切りの「社会環境相違」とでもいおうか。 それにしてもこの時代の持つエネルギーは、この下宿人と周囲のその後を見ると、やっぱり凄い。有象無象というか、カタストロフィ的揺籃期かねぇ~2013/11/30

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