内容説明
人間くさくてノーテンキなミタカは、あいかわらず家族の一員のようにいつもいる。三月、南向きのぬれ縁に何か植えようか、と相談していると、家出中のパパが帰ってきた。そこで、みんなでひょうたんを作った―何かを愛する時、愛するものがある時、愛していいものがある時、人はやさしくなる。そしてそのやさしさは、ただやさしい。「ミタカくんと私」に続く、ナミコとミタカのつれづれ日常小説。
著者等紹介
銀色夏生[ギンイロナツオ]
1985(昭和60)年、はじめての詩画集『黄昏国』(河出書房新社)を刊行。詩集、エッセイなど、著書多数
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感想・レビュー
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あつひめ
58
ラスト近くに書かれている並子のつぶやきが心にしみる。何にも考えないでのほほんとしていそうなのに、ちゃんと未来に向かって声を発している。こんなサイコーな仲間たち、そうそう居ないよなぁ〜と思う。この仲間になるには自分も彼らのような澄んだ心を持たないとね。心が休まる作品だった。2016/07/20
はらぺこ
31
前に読んだ『ミタカくんと私』より好き。 前作は思春期男子らしからぬ草食系のミタカくんが自分には想像出来なくて違和感があったが、今回は学校の場面が少なかったので年齢が気にならなかったのが良かったのかも。 現実離れしたユルイ家族やと思うけど、最初からメルヘン作品として読めば肩の力が抜けて楽しめる。 殺伐とした生活をしてる人にオススメ。2010/11/24
harupon
19
「ミタカくんと私」続編。家を出ていたパパも参加のひょうたん作り。というか、パパが大活躍だった。みんなでごはん食べるのもいいけど、こんなふうに作業するのっていいよね。ナミコとミタカ、ナミコのパパ、ママ、弟のミサオ、友達の瞳ちゃん、瞳ちゃんの妹、ハナちゃん、丸山、チヨ(チモト)、10人ですよ。あ、坂本も登場。銀色夏生さんの描く絵がもう好きすぎて、たまんない。登場人物が絵でもわかるよ。楽しく読了♪ 2021/04/09
100
15
小学生の頃に学校でひょうたん作りをしていたのを思い出した。最近めっきり見なくなったけど、私は比較的ひょうたんを好む人なので、表題に引き寄せられて買ったんだった。買ってから続編と知り、第一弾の方を読んだけどそれで満足してしまい、長らく積読していた。本作は『ミタカくんと私』に続く、ナミコと愉快な仲間たちの日常小説。みんなちょっとヘンで面白くて、でも淡々としていて。序盤、パパが帰ってきた時のママの反応がすごく好き。2022/11/14
ナチュラ
12
ほっこりとしていて癒される。 シリーズものとは知らなかった。 絵本を読んでいる感覚だった。 休日ののんびりした時間に読みたい本。2015/11/05