新潮文庫<br> おしまいの日

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新潮文庫
おしまいの日

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  • サイズ 文庫判/ページ数 366p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101426037
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

あなたがとっても好きだから、あたしは自分がわからなくなる。あなたのことだけを考えていたいのに。あなたは今夜も、まだ、帰らない…。三津子と忠春は結婚七年。旦那様は会社で出世頭だし、夫婦仲も円満で、三津子は絵に描いたように幸せな専業主婦。なのに―愛する人のことを想うひたすらな心を静かに蝕んでいく孤独の闇。日常生活に潜む正気と狂気の狭間を描くサイコ・ホラー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白のヒメ

42
中学生時代「あたし」という一人称が珍しく面白く、はまっていた作家さん。本屋で久しぶり(というには長すぎるブランク・苦笑)に名前を見つけて手に取った。「あたし」という一人称で綴られる文体は変わらず懐かしく思う。けれど主婦なんだけれど、夫や子供、可愛がっている動物など相手の心境を決して思いやれない、病的自己中な女性の話で、軽い文体とは反対に読んでてぞっとしまくった。確か昔はもっとほんわかしてた話を書いていなかったっけ。作家さんも年齢と共に色々引き出しが増えるってことなんだろうか。なかなか面白かったです。2018/01/09

あつひめ

34
人と暮らすことの難しさ…自分以外の人間を大事に思うあまり心を病んでしまう。いや…妻だけでなく仕事にばかり夢中の夫も心を病んでいるのかも。止まってしまったらもう動けないかも…という恐怖心は、何かに追いかけられるように生きている人にいつも付きまとう。黒マジックで消された日記の文字がやけにリアルで、本当に日記を手にしたような気になってしまった。夫婦って…どんなにいい人達に囲まれていても溝を埋めることはできないんだな~。私は結婚当初から夫を待たない派。待つことで相手の負担になりたくなかったから。2011/10/14

はらぺこ

30
生き方が不器用やと大変や。2015/03/30

にゃむこ@読メ11年生

8
「暗い、動く人間の気配がない、死んだ家に帰るのより、明るい、起きた人間が待っている、生きた家に帰る方が」ずっといいと思い込み、帰宅時間が不規則な夫・忠春を待つ妻・三津子の精神が次第に壊れていき、遂に「おしまいの日」を迎えるまでを、彼女自身の日記を通して描く。日記が黒く塗りつぶされている演出では、にゃむこ、三津子の狂気を感じたww← しかし、久美に宛てた最後の手紙では意外とまともな三津子だった。それにしても失踪して死亡宣告を受けるまで7年、うまいこと身を隠せたな。2013/01/02

夏子

7
仕事が忙し過ぎて中々早く帰って来れない夫を家で待つうちにだんだんとおかしくなってゆく主婦、三津子の怖い物語。日本がまだ豊かだったころの話なんだなあと作中の物価とか見ながらしみじみしてしまった。2017/02/20

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