内容説明
有名な仙人が山を下りて、帝に召しかかえられた。しかし、いつになっても術を見せようとしない。帝はいらだって、「いつになったら術を見せるのか」と下問する。すると仙人は、あっと驚く術を披露した―。トボケた味わいの漫画とのんびりしたエッセイで楽しむ、中国の摩訶不思議な昔話16編。ポンとそこらに放っておかれたような読後感。あなたはこの感覚にどこまで耐えられるか。
目次
仙人の締切
金銀の精
寿命
四足蛇
夢の通路
未来の巻物
玻璃の中の仙人
柳の人
斧の時間
茶肆の客
水人形
怪異
鼠の予言
白い娘
日本の箒
息子の壺
著者等紹介
南伸坊[ミナミシンボウ]
1947(昭和22)年東京生れ。漫画雑誌「ガロ」の編集長を7年間務める。’80年からフリーのイラストレーター、エッセイストとして活動を開始。路上観察学会の結成に参画するなど旺盛な好奇心を持つ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
14
【再読】読みたい本、読まねばならぬ本、返却期日が迫る本と色々抱えてるのにこれを手に取ってしまったのは、たぶん、疲れてるからなんだろうと思います。私にとって中国の怪談の魅力は、まえがきで南伸坊氏が述べている通り、ポンとそこらに放っぽらかしにされる気分にあります。2013/12/06
三柴ゆよし
12
志怪小説というのはいまでいうところの実話怪談で、怪異の記録性に重きを置いているから、そこに作者の技巧が入りこむ余地は少ない。あっさりしてる。南伸坊はそれを「ポンとそこらに放っぽらかしにされるよう」と形容しているが、これは的を射た表現である。知らぬ間に怪異にまきこまれて、気付いたときには取り返しがつかなくなっていたかと思えば、人間のほうが妖怪を問答無用でぶちのめしてみたりする。南伸坊のイラストはそういういい加減な世界観と親和性が高いらしく、姉妹編『李白の月』共々、非常にレベルの高いリライト作品になっている。2012/12/09
Yoshiyuki Kobuna
10
南伸坊さんの味わい深い漫画で描かれる中国怪異譚。併せて「蛇足」として、その怪異譚の解説とテーマに関連したエッセーがそれぞれに付けられている。怖い、唐突、摩訶不思議。面白い!2020/04/25
ちゅう
6
昔の中国の不思議な話。教育的な意味とかもなくて、理由がないような、どうしたらいいのかわからない話が多かった。 思いがけず、爛柯の話が読めて良かった。絵も、話しの雰囲気にあっていて、いい感じでした。あとがきも、いい雰囲気です。2020/10/16
KAZOO
5
これも北村さんからの波及本。「李白の月」と感想が入れ違いになってしまい申し訳ありません。ということでこの感想は「李白の月」の感想です。こちらのほうが大判なので余計中国情緒が多く感じられます。南さんの絵は初めて見た人はうまいのか下手なのかわからないでしょうが、私にはよく見ていると何かわからないものが真に迫ってくる感じがします。2013/10/04