新潮文庫
島津奔る〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 456p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101408163
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

九州制覇、文禄・慶長の役と、後半生を常に戦場で過ごしてきた薩摩の太守・島津義弘は、政局を読み取り、敵の作戦を察知する才に長け、大胆な攻撃で敵を打ち破る戦略家として、内外に恐れられた。小心者の徳川家康、官僚主義者の石田三成、保身に走る兄・義久という思いきった人物設定で、戦国武将の内面に鋭く迫り、現代の指導者たちにも熱い共感を呼んだ大作。柴田錬三郎賞受賞。

著者等紹介

池宮彰一郎[イケミヤショウイチロウ]
1923(大正12)年、東京生れ。静岡県に育ち、一時、旧満州で生活する。約3年間の陸軍体験を経て、’52(昭和27)年に脚本家として独立。大手映画6社の作品に携わり、オリジナル作品『十三人の刺客』『大殺陣』で京都市民映画脚本賞を受賞。’92(平成4)年、初めて著した時代小説『四十七人の刺客』で新田次郎文学賞を受賞。’99年には『島津奔る』で柴田錬三郎賞を受賞した
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感想・レビュー

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harass

71
朝鮮で戦う日本武士団に秀吉が死去したと伝えられた。速やかな撤退が必要で、島津義弘は七千の兵で二十万の明軍に立ち向かうが…… 島津藩のことに興味がでてこの小説を選ぶ。上巻は関ヶ原直前で終わる。戦国史はうろ覚えでこの小説も前知識無しで読み出したが、義弘が中心の話なのだが、予想外に家康視点が多いのに戸惑う。あと石田三成を吏僚(官僚)としていて、現代日本の通俗的な官僚批判めいた言い方があり、一般読者には通りがいいだろうが、そういうでいいのかと気になってしょうがなかった。下巻に。2018/01/23

geshi

31
「俺の考える最強の島津義久」がやりたくて、その目的はきちんと果たしている歴史小説。対比として見せるため、石田三成を官僚主義者として・徳川家康を過度の小心者として・兄の義弘を保身と嫉妬の頑迷な人として描き、周りサゲがあからさまではある。新しい登場人物が出る度にちょっとしたサイドストーリーが展開されるから、流れがつっかえちゃって読み進めにくい。慶長の役での撤退戦に始まり関ヶ原の戦いへと時代がうねる中で小国の生き残る術をいかにするか、ブレない義久の格好よさが際立ってる。2020/12/18

り こ む ん

28
秀吉の世が終り。新たな覇権をめぐる攻防の荒波の中を「家」を守り繋ぐことに奔走する義弘の当主としての姿勢。考えが素晴らしい。こうあってほしいものよリーダーは。と、感じつつ。天下分け目の関ヶ原。結果は知ってはいるものの、手に汗ニギニギの下巻が楽しみ。2019/11/14

金吾

27
島津義弘の魅力満載な一冊です。後付けで全て洞察しているようになっているのはご愛敬でしょう。朝鮮の役の部分が良かったです。2023/10/05

けいた@読書中はお静かに

27
戦国最強の武将とも言われる島津義弘とそれを支えた薩摩隼人たち。特に寡兵を以て大軍を制す戦術をやらせたら間違いなくいちばん。高校生以来、また読みたいなぁと思いながらも盗作疑惑で絶版なってるのでブックオフで購入。まぁ、多かれ少なかれ、この手の時代小説を書こうと思うと福田定一さんの影響を受けるんじゃないかなぁと思う。どの点が盗作なのか、福田定一さんの『関ヶ原』も読んでみたい。2015/10/09

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