新潮文庫<br> 気まぐれ美術館

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新潮文庫
気まぐれ美術館

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  • サイズ 文庫判/ページ数 467p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101407210
  • NDC分類 723.1
  • Cコード C0171

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

黙れ花咲舞・寺

93
とうとう読んだこの本。小林秀雄から青山二郎から福田和也から岡崎武志から山本善行から大絶讚の洲之内徹『気まぐれ美術館』。あんまりみんな絶讚だから気後れした。私は美術に疎い。ましてや油絵なんて関心が無い。大丈夫かしらんと思いながらも古本で購入(絶版なのである)。届いた実物を見て感嘆。可愛い本である。カラーの口絵に小さめの活字。気儘な文章の随所に挿絵と写真。文庫本として理想的である。これ1冊あったら退屈しないような文庫本である。一目で気に入った。いざ読み始めると、自分の知らない世界の話がズルズルと(つづく) 2018/10/30

奏市

17
参った。人間力がすごくて自分が情けなくなる。戦前、戦時中に政治犯として獄中生活送ったのも含め根性のレベルが違う。絵も描き小説も書いた教養の塊みたいな人が美術に関する(関連しない話題多いのを自虐してもいるが)エッセイ書いたもの。吉田健一の随筆で興味湧いた酒田がこちらでも出てきて益々行ってみたくなった。本間美術館とか。開高健が美術館に来て館の人と釣りに出かけた面白い話もあり。良い本に出会えた。って思いながらその篇読み進めると最後に吉田健一の話題がちらと出てきて身震いした。感想書かれた読メの先輩に感謝。2021/10/30

阿部義彦

16
文才にも溢れ芥川賞の候補に3回もなり、若い頃は思想犯として、刑務所にも入った事も。 無名の画家を輩出した「現代画廊」の主人である、洲之内徹。その愛蔵の絵画、彫刻は死後に洲之内コレクションとして、私の地元宮城県美術館に所蔵されています。彼が生前に芸術新潮に連載していた、人生、画家、絵画にまつわるエッセイ集です。紹介されている画家は勿論私も初めて知る人々ばかり。でも、無性に面白く図版も豊富で惹き込まれました。話があちこちに飛びまくりますが、それがまた堪らない魅力。美術館に行きたくなりました。2022/09/03

常磐条(ときわとおる)

7
美術という芯に、州之内徹という血が通い、彼を取り巻く人々や社会という肉を着せ、、、作品は物語になる。松本竣介の景色を辿る探偵物語や、ロートレックの油絵を“洗った”ときの手に汗握るドラマなど。。さらに白洲正子による解説により、今まで州之内徹の視点に重ねてきた読者に、州之内徹という人物を客観的に眺めさせてくれる非常にいい塩梅になっております。「時代と世界を一人の人間に寄り添って感じられる本」は名著だと思うのですが、これはまさにそんな本でした。美術好きは必読ですね。。2013/12/06

すばる

4
朝日新聞の「折々の言葉」で紹介されていた言葉が印象に残り、読んでみた。昭和49年1月から芸術新潮で始まった連載をまとめたこの本は、不思議と引き込まれる魅力に満ちていた。取り上げられている作品は知らないものが多いが、口絵も添えられ読み進めるには困らない。文字通り「気まぐれ」な文章は州之内さんの人柄がそのまま反映されているようで、時折、ハッとさせられる言葉に出会う。また、戦前、左翼活動家だった頃の経験については時代の証言ともなる。純粋に文章を楽しむ喜びをかみしめた。2020/08/02

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