新潮文庫<br> 美の神たちの叛乱

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新潮文庫
美の神たちの叛乱

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  • サイズ 文庫判/ページ数 530p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101405148
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

フランス人モデルに変装して扼殺された日本人女性。労作に描かれたモデルの右目を撃ち抜いて自殺を遂げた、かつてのフランス画壇の巨匠。そしてロンドンのホテルで絞殺された女装の男性。すべての事件は、あるセンセーショナルな贋作を巡る謎がもたらしたものだった…。香港、ニューヨーク、ロンドン、パリ。愛の迷路は国際都市を結んでゆく。絢爛たる世界を舞台に描く渾身の長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

そうたそ

36
★★☆☆☆ 率直にいうと好みでなかった。連城ファンの間ではすごく評価が高いであろうこの作品なのだが、コン・ゲーム小説風の作風が個人的にはあまりハマらず。贋作をめぐり進められるストーリーで、とにかく登場人物の騙し合いに次ぐ騙し合い。読者としても次々に訪れるどんでん返しに舌を巻く他ない。「戻り川心中」のような叙情的で美しい作品も書けば、このような派手な作品もある。連城三紀彦の作風の幅の広さには常々唸らされる。ただやっぱり個人的には「戻り川心中」とか「恋文」のような作風の方がグッとくるなあ……。2016/07/22

🐾ドライ🐾

10
登場人物から会話文からこねくり回すような感じで苦手なパターンの連城作品其の二。しかも500ページ超え…長い。 地の文での美しい連城節炸裂、対立する者同士の駆け引き、80歳を超すのに見た目が40歳くらいのマダムなど設定は⭕。普段使わない大仰な会話文。幼い頃の出来事により復讐に燃えるマダム。その出来事がそれほど強い動機となるのか、バランスが取れていない点。サスペンスやクライムノベル仕立てで進んでいたのに、最後は何故か「愛」に行き着く締めくくり方が❌。2022/06/28

harukawani

6
混乱!笑。何が本物で、何が贋作か。パリを舞台にした騙し合いと愛憎の果て、騙す側、騙される側、愛する側、愛される側、どちらが本物で、どちらが贋作なのかも分からなくなる。連城さんらしい小さな反転の連続に翻弄され、眩暈を起こしながらも、ページを捲る手が止まらない。読み終わっても、まだ迷宮の中にいる気分だ。正直、すっきりはしてない。しかし、それがやけに心地よい。2014/11/19

浅木原

3
細かいどんでん返しを積み重ねて読者を翻弄する、90年代連城長編群のひとつの到達点というべき傑作。冒頭の3つの殺人のどんでん返しから掴みは完璧で、美術界を舞台に、ルノワールとその贋作を巡る虚々実々の騙し合いがめくるめく嘘の迷宮を築き上げる。一級の美術ミステリーであり、コン・ゲーム小説でもあり、連城らしい愛憎のドラマであり、怒濤の逆説の嵐に読者はただただ翻弄されるしかない。じっくり腰を据えて読まないと確実にわけがわからなくなるけど、腰を据えて読むだけの価値は十二分にある。いやすごいわこれ。面白かった!2014/09/29

tachibana

2
何を書いても文章力でねじ伏せられている気がする.ずるい.2018/09/29

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