新潮文庫<br> 大阪学

新潮文庫
大阪学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 228p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101382210
  • NDC分類 291.63
  • Cコード C0130

内容説明

不法駐車で道を塞ぎ、日常会話がすでにボケとツッコミ。うどんの美学を熱く語り、商売上手。ド派手な恰好して、とりあえず値切り、合理的で、非社会的。マクド?レイコー?全国に跋扈する大阪人の感覚って一体?習慣、言葉、歴史、文学等、様々な角度から謎に満ちた不思議の都市、大阪を知的に愉快に明解に読み解く。出張のお供に、転勤転校のバイブルに、一冊どないでっか。

目次

第1章 不法駐車―街へ出よう
第2章 お笑い―吉本興業
第3章 きつねうどん―食い倒れ
第4章 スーパー―ダイエーと阪急
第5章 好っきゃねん―大阪弁
第6章 古代ベイエリア―大阪の位置
第7章 中世の近代人―楠木正成
第8章 都市の誕生―蓮如、信長、秀吉
第9章 大阪人写実―西鶴と秋成
第10章 実証と自由と―町人の学問
第11章 東京が何んや―近代文学の系譜
第12章 キタとミナミ―二つの大阪

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

103
フランスと東京で育った僕が大阪に住むことになったのは大卒後。全国の中でもひときわ個性が強く、笑いの中にある会話センスやポジティブ思考の背景には何があるのか。関東人と関西人の物事の考え方の大きな違いをはじめ、習慣、言葉、歴史、文学など多方面からの切り口で面白くわかりやすく解説してくれる。粉モン文化や人懐っこい気質、交渉上手、キタとミナミの違いの由来を見るに、大阪ってイタリアとも似てる部分多いなぁと思ったり。とにかく、東京人である自分が大阪で生きていくには何が必要かなんてことにも気づけて楽しい一冊だった。2013/04/14

よこしま

37
なんでやねん!◆これ誰でも分かる大阪の言葉ですよね。異彩というか、なぜか目立つ。縦社会・東京へのアンチ。◆今回の大阪都構想も、賛成反対抜きにして、全国が注目していたのも事実でして。橋下徹という本音をドンドン出してくる人物がいて、初めて維新が成り立ち、彼なしでは存在感がないのでは。◆さてレビューを。お笑い、食、言葉などから始まり、歴史を通して、大阪がどんな街、住民の人間性を考える、面白い本でした。◆好きな作家、瀬尾まいこさん。「ほんまか」「そやな」という台詞。柔らかする言葉に、大阪の温かみを感じさせます。2015/05/19

HMax

20
真面目な内容で驚き。1765年の人口42万人のうち武士は僅かに500人ほど、江戸・名古屋・金沢以下、当時の都会は城下町で武士の町とは対照的。武士は建前が大事で、町人は本音が大事。そんな社会の伝統が今でも続く。 自動改札、動く歩道、ラガールカード等々、多くの大阪発の逸品。本の書かれた20年前はバブル崩壊直後だったけど、大阪にはまだ元気が残っていたようです。今では両輪どころか完全に東京一極集中、さてさて、これからどうなるのでしょうか。2018/11/03

瑪瑙(サードニックス)

12
我が愛する大阪についてどのように書いてあるのかが気になって手にとってみました。大阪人を解くキーは3つある。『いらち』→競争の社会『なんぼ』→損得の社会『ほんま』→本音の社会、とあとがきに書いてあります。全くその通りだと思います。ただ、あまりにも『大阪』の事がどぎつく書かれてある箇所もあり、ちょっと引き気味に読んだ部分もあります。要するにあまりにもテレビなどで大阪人のどぎづさばかりが誇張される事に嫌気がさしていたので、そうじゃないよと本書に言ってほしかったのだと、自分の心を分析した次第です。2012/03/02

greenman

10
なかなかドギツイ表紙で単なるネタ本にみえるけれども、縄文時代からどのように大阪が形成されてきたかの説明に次いで、東西の文化比較や江戸時代の大阪文学の比較をしていて、かなりしっかりしている本だ。特に江戸時代の文学者、井原西鶴と上田秋成の背景や性格の比較、さらに時代の変遷による大阪経済の興亡があたえた文学的影響などは説得力がある。大阪はお金にシビアで、反東京の風潮はあるけれど、それは大阪流の合理主義と東京への意趣返しとも言える。だけど本書は大阪礼賛の向きがあるが、東西どっちの文化が優れているかなどはない。2013/02/01

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