新潮文庫<br> 名人は危うきに遊ぶ

新潮文庫
名人は危うきに遊ぶ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 219p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101379067
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

自由に生きることの「孤独」について。とらわれず、ひたすら「在る」ことの充足について。歳月に磨かれた「型」の非情さについて。本当の美しさを「もの」に見出し、育て、生かすことについて。はかなさの、めでたさについて。さくら、新緑、観音浄土…、おのれの魂と向き合い悠久のエネルギィを触知した日々。誰のものでもない「私の」人生、その豊熟を緩急自在に語る、38の随想。

目次

東大寺の講堂跡
東大寺の観音浄土
十一面観音について
極楽いぶかしくは
神の国高千穂
わが青春の愛読書
西行と私
名人は危うきに遊ぶ
能の型について
伝統芸能の難しさと面白さ〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

41
能や仏像、骨董、書画、和歌といった日本の伝統芸術から、庭の草木や花に寄せる著者白洲正子女史の思いを綴った随筆の数々、三十八編。美的な感覚とその繊細さを本質を突いて、簡潔な文章で巧みに表現されている。十一面観世音、お能、西行、源氏物語絵巻など、テーマは多彩。白洲正子の世界が一冊の本としてまとめられていて、その全体像を把握ことが出来る。読み手(私)に本書を通して、日本の美に誘ってくれた。清々しい気分になった。白洲正子女史の作品は好みだ。2023/06/04

うりぼう

38
9年前に読んでいた。全然、記憶なし。こんなもんですね。松丸本舗で購入。この翌日、師範代と夕食を共にする。半年ぶりの再会であったが、6時から午前1時まで、延々と話す。話は、縦横に及びながら、1本芯の通ったところが、この著者に通じる。本人が聞いたら「白洲正子なんて?!」と卒倒しそうだが、華道に通じ、編集に通じ、カラーに通じる彼女は、仕事である以上、納得がいくまでと本気で怒る。その潔さが清々しい。この本の構成が見事。各エッセイが組み合わさり、全体が建築物のよう。最後の締めが「不思議なご縁」で「危うきに遊ぶ」のだ2012/07/24

メタボン

27
☆☆☆★ 白洲正子の随筆を読むと心が豊かになっていくのがわかる。日本の良いところ、失いたくない文化を、端正な文章で伝えてくれる。古寺、能、骨董、焼物、西行、文士といった題材にもちろん心惹かれるが、何よりも自然の美、とりわけ日本人が愛してやまない桜の哀切な美に関する文章が良かった。2018/04/19

19
珠玉の随筆集。白洲正子の作品は初めて読んだのだけれど、高い美意識と教養があり、とても惹かれた。奈良や京都のお寺、お能などの伝統芸能、壺や茶器や花器などの陶器...。本を読み、実物を目にし、再び本に戻る。その繰り返しで日本文化の素養を身に付けたい。日本のうつくしさにもっと目を向けたい、と思った。兼好法師、西行、在原業平についても知りたくなった。2020/12/16

Aya

13
興味の赴くままに詮索していくと行き当たる物や人。白州正子さんは知らない日本を教えてくれる人。なんとなく背筋を伸ばして読みたくなる。中でも能の話題が多く登場していて、初心者にもわかりやすく解説されています。「薪能」は見てみたいもののひとつ。一度見て気になってた「孔雀明王」の話題も2015/04/07

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