新潮文庫<br> 遊鬼―わが師わが友

新潮文庫
遊鬼―わが師わが友

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  • サイズ 文庫判/ページ数 268p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101379043
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

何もせず、何も遺さず、「数寄」に命を賭けた人、青山二郎。いつも疾走し、ある一点を見つめ、生きている証拠だけが充満した時間を生きた人、小林秀雄。行住座臥、筆を持たぬ時でさえ、常に描いていた人、梅原龍三郎。実に正直で、飾り気がなく、自由で、そして怖い人、洲之内徹…。韋駄天の正子が全身でぶつかり全霊で感電した、とびきりの人生の名人、危うきに遊んだ鬼たち。

目次

何者でもない人生 青山二郎
珍品堂主人 秦秀雄
小林秀雄の眼
小林秀雄の骨董
お公家さん
瞽女の唄
龍神の宿
遊鬼 鹿島清兵衛
福原麟太郎先生を偲ぶ
織司の余技 田島隆夫〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

40
「わが師 わが友」と副題にある通りの内容。取り上げられている人たちは、青山二郎、秦秀雄、小林秀雄、梅原龍三郎、洲之内徹、白洲次郎など。骨董・美術関係の人たちが主で、白洲正子の人脈の広さ、交友の華やかさを窺い知ることができる。高名な人からあまり名が知られていない人まで丁寧に紹介されている。最後を締めくくる白州次郎の話も、淡々と述べられてはいるが、印象深かった。阿川佐和子さんの解説も著者の素顔を垣間見させてくれていて興味深かった。2023/06/18

R

31
白洲正子さんが見てきた文人、奇人たちとの思い出を綴った短編を集めた本でした。青山次郎、小林秀雄、秦秀雄といった面々の追悼文がメイン、その目で見た人となりを丁寧な言葉で綴って、骨董に魅入られていく人たちの滑稽と真剣を学ぶこと、畏れること、美について語ることのつまらなさを語るという難しいことをした文章でした。気取らないで、真実を言葉にする難儀に挑んだそれなのだけど、気負いや、鼻につくもののない流麗な文章を堪能できた。一方で夫白洲次郎について語る目線も面白く、読み応えのある一編でした。2019/05/13

さきん

30
著者の師匠に当たる方々との思い出を語ったエッセイ。骨董や文士がらみが多い。印象に残ったのは青山二郎の美に対する考え方。キツネみたいにふわふわ浮いている夢のようなものに過ぎない。風姿花伝の美しい花はあるが、花の美しさはないといった言葉にもつながる。2019/01/20

メタボン

30
☆☆☆☆ 含蓄ある言葉の数々、教養あふれるたくさんの人との交流、白洲正子の文章を読むたびにその深さに心が現れるようだ。青山二郎と骨董、手厳しい小林秀雄、珍品堂主人秦秀雄、気まぐれ美術館の洲之内徹、遊鬼鹿島清兵衛、篆刻と文人画の早川幾忠、かさね色目と高田倭男、大人物の日本画家梅原龍三郎、そして白洲次郎。もっともっとこの人たちのことを知りたいと思った。2018/03/28

Tomoichi

17
昭和が終わりつつある頃、昭和を代表する人たちが一つの時代の終焉に合わせるように亡くなった。白洲正子の周りにいた昭和の人生の名人「遊鬼」達。彼らもまた昭和の末期に正子を残し去っていく。青山二郎・小林秀雄・白洲次郎・梅原龍三郎等彼らの死後に書かれたエッセイを中心とした名随筆家。濃い人たちばかりです。2016/10/13

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