内容説明
人生に満ち満ちる、面妖な、ユーモラスな、不可解な、謎、謎、謎。いや、そもそも人生それ自体が“謎”ではないか―名手たちが鮮やかに切りとった人生の断片が、絶妙の配置で一堂に会しました。ミステリアスな異世界へ誘う作品から、「本格ミステリ主義者」の編者がこれぞと太鼓判の「本格物」まで、みごと“謎”の醍醐味を封じこめた一冊。宮部みゆき氏と編者の巻末対談「『謎の部屋』の愉しみ」付。
著者等紹介
北村薫[キタムラカオル]
1949(昭和24)年、埼玉県生れ。早稲田大学ではミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、’89(平成元)年「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。’91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。’93年から執筆に専念
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感想・レビュー
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Shoko
26
北村薫編のアンソロジー。満足度の高い一冊だった。ジェラルド・カーシュ「豚の島の女王」に驚き、ジェイムス・B・ヘンドリクス「定期巡視」で手に汗握り、ジョヴァンニ・パピーニ「返済されなかった一日」で無意味な焦燥を感じたり。日本人作家も宇野千代、阿部昭、里見弴、小沼丹・・他の作品などが収められている。日本の作品は短いものが多かったせいか、今回は海外作品の方が読み応えもあって楽しめた。とにかくお得感がある。アンソロジー万歳!続編もあるようなので、また読みたい。2019/01/24
竜王五代の人
7
最初の方はともかく、四本目の都井邦彦「遊びの時間は終わらない」からは面白い作品ばかりになった。最後の、選者北村薫とゲスト宮部みゆきによる対談も、各作品に深みを与えるものでよかった。とはいえ、白眉はやはり「遊びの~」だった。まじめに犯人役をこなす平田刑事(スカした深川刑事にも意地悪する心はないらしいところがおかしい)と、本部で平田の行動の意味を的確に、もしかしたら深読みまでしてサポートしているとしか思えない佐原課長、筒井康隆を思わせる疑似イベント化、この作者が消息不明とは惜しい。2023/05/21
よっぴ
6
短編集、謎をテーマに短編を集めたアンソロジー。このテーマの本は幾つも出ていますが、他の本より読み易い物が多い気がします。北村氏選定の特徴なのでしょうか。この本では一種のリドルストーリーや日常の謎など色々なタイプの話で構成されていて、全体として不思議な読み味で小粋な小説を集めた印象です。。とても気に入ったのは、小沼丹氏の「黒いハンカチ」1953年にでた作品のようですが、探偵役も可愛くてキャラ立ちし少し小粋で設定も面白く貴重な作品です。短編をまとめて「黒いハンカチ」として出ているようなので読む予定です。2016/02/20
なつ
4
北村薫さん編著のアンソロジー。『謎の部屋』ということでミステリやら不思議系やらが集められております。ふわっと終わるものからオチがついて終わるものまでさまざま。ガチすぎておもしろい『遊びの時間は終わらない』、ふと目を覚ますと入れ替わっていた『どなた?』、ちょっと気の毒だけど気持ちがスッとする『埃だらけの抽斗』、少しぞっとする『猫じゃ猫じゃ』がお気に入り。2016/09/12
KAZOO
4
北村さんはすごくこのようなアンソロジーを作るのに向いている人だと感心します。この新潮社の本もそうですが、ちくま文庫の短編アンソロジーも選択する能力というものにいつも脱帽です。よくこのような作者の本がということもあり、多くの本を読みこんでいないとこのような本は出来上がらないと感じます。読んだだけではなくそれをどのように分類するかも能力の一つなのでしょう。2013/03/29
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