新潮文庫
夏目家の福猫

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  • サイズ 文庫判/ページ数 211p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101352510
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

『吾輩は猫である』のモデルになった仔猫は、漱石の妻鏡子との攻防の果てに、いかにして夏目家に住みついたのか。七人の子供を育て、座る暇もないほど忙しい生活をおくった鏡子と漱石の関係。“狂気の時”の恐ろしさと、家族しか知りえないおおらかな素顔。漱石没後の夏目家―。長女筆子から伝え聞いた夏目家のくらしと、文豪の孫としての日常をユーモアたっぷりに描く珠玉のエッセイ。

目次

夏目家の福猫(漱石夫人は占い好き;母からきいた夏目家のくらし;女主人達の糠みそ ほか)
母の想い出(母への想い三話;心の故郷・長岡;笹団子 ほか)
漱石ゆかりの事など(テレビ出演した糠みそ;父の記憶とビール券;ラジオ「深夜便」 ほか)

著者等紹介

半藤末利子[ハンドウマリコ]
エッセイスト。1935(昭和10)年、漱石門下の作家松岡譲と漱石の長女筆子の四女として生まれる。上智大学卒業。六十の手習いで文章を書き始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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saga

39
【再読】漱石の長女であり著者の母である筆子から見聞した漱石。タイトルのほのぼのとした印象とは異なり、夏目一族の暗い面も隠さずに記す著者。「母の想い出」は筆子を介護する著者の苦悩が痛いほど感じられる。奇しくも今日、老父母を実家に訪うて感じる老いと重ねてしまう。「漱石ゆかりの事など」では、著者の明るさが読み取れて爽やかな読後を味わうことができた。2016/08/21

冬見

13
漱石の娘・筆子と漱石門下の作家・松岡譲の娘である半藤末利子氏によるエッセイ集。当時を知る母・筆子の漱石にまつわる思い出や漱石没後の夏目家の様子、筆子と松岡の結婚の経緯など、『夏目家の糠みそ』『漱石夫人は占い好き』から三十篇を収録。漱石のエピソードというより漱石没後の夏目家のエピソードが中心。母の介護の話には胸が痛んだ。松岡譲の著作はいくつか手元にあるがいずれも漱石にまつわる評伝ばかり。小説の方を探して読んでみたいと思う。2021/02/23

作楽

10
夏目漱石のお孫さんが書いた本。漱石の死後に母親が結婚しているので、直接おじいさんは知らない。でも、数々のエピソードで垣間見れたかな。介護は大変だよね・・2014/11/09

和草(にこぐさ)

9
漱石の事もあるが、さながら妻鏡子と娘の筆子の目線からかかれた漱石。夏目家の糠漬けが気になる。2016/09/27

風花 kazahana

8
猫とあったので 私は単純に夏目家で飼われていた猫の話かと思いきや 夏目漱石のお孫さんによる夏目家に関するエッセイでした。孫と言っても早逝した漱石には会ったことがないそうです。ほら、ひねくれ者の私は孫というだけで本が出せるのか、とそんな感情も持ったりしましたが 文豪の孫としてその役割も担っていらっしゃる様子にそれも大変だなと思ったりしたのです。夏目家、ということで その妻 娘 娘の婿 孫と文字通り一家の様々な話です。時々遠慮のない正直な話しもあり あとがきにそう思った時のまま残したとあり納得しました。2023/04/04

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