新潮文庫<br> ビタミンF

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新潮文庫
ビタミンF

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  • サイズ 文庫判/ページ数 362p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101349152
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

788
7つの短篇から構成され、それら全体を統合するタイトルが『ビタミンF』。いずれの物語も、30代後半から40過ぎくらいの男性が主人公。彼らは一様に自分自身の現在と行く末、そして家族としての紐帯、また父親として子育ての岐路に立たされている。誰だって、親をやるのは初めてだ。世のほとんどの男性は、父親としての尊厳と自信を持って(そうありたいのはヤマヤマなのだが)子どもに向き合えるはずなんてないのだ。それは、おそらくは重松自身の問いでもあっただろう。父親は家庭の中にあって、それと知らず存亡の危機に立たされていたのだ。2019/06/26

ehirano1

475
本書に登場する主人公のお父さん達と境遇が近いせいか、物凄く引き込まれました。心情的に感想を書く余裕が今はなく、只々のまれています。おそらく、踏み込んでほしくない考えたくない無意識下の領域を著者がゴリッと掴み出して小説として顕在化してしまったからだと思います(コワイコワイ)。感想は少し時間を置いてからになりそうです。2016/10/22

HIRO1970

380
⭐️⭐️⭐️7月1冊目は重松さんでした。00年の作品なのでひと昔前の物ですが、非常に良い出来の作品でした。7つの短編が納められていますが、どれも甲乙付けがたい名作と言えるものでした。主人公はどれも30代後半の男性なので社会に出て15年位の子育て世代の設定です。特に家庭に置いて男性が感じる子供達との距離感が上手に描かれており、男性諸氏にはかなり感情移入し易いパターンプラクティスになっています。子育て世代の必読書と言っても過言では無い出来映えです。是非、一読をオススメします。2015/07/02

yoshida

337
私と年代が近い家族の短編7編。違うのは私には子供がいないことかな。それぞれの家族の形がある。特に「セッちゃん」、「なぎさホテルにて」、「かさぶたまぶた」、「母帰る」が好み。殆どですね。「かさぶたまぶた」の政彦が自分に似ていて、もっと駄目な自分を出したりする事が必要だなと感じた。家族一つ一つに歓びや悩みがある。普通の家族などなく、それぞれ悩みを抱えている。私も自分の家族に向き合い、悔いの少ない生き方をしたいものです。自分の家族をどれだけ大切に思っているかを、しっかりと言葉で伝える事が大事だと改めて気付いた。2016/03/06

遥かなる想い

331
昔Z会の通信添削をしていた頃、ペンネームに 『ビタミンZ』とつけた人がいた。世の中にはうまいネーミングセンスを持つ人がいるものだと感心していた。「F」とは、家族(FAMILY)から生まれる、こころのビタミン。 Father、Friend、Fightなど「F」で始まる言葉をキーワードにした7つの家族の物語集。よくできているが、少し浅い感じが残る。2010/05/07

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