新潮文庫<br> 動乱はわが掌中にあり―情報将校明石元二郎の日露戦争

新潮文庫
動乱はわが掌中にあり―情報将校明石元二郎の日露戦争

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101349022
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

日露戦争のさなか、欧州にあって背後から帝政ロシアを崩壊させるべく暗躍した日本人がいた。陸軍大佐明石元二郎は、フィンランドの独立を夢見る革命家コンニ・シリアクスと共に策動してロシア革命の火付け役となった。諜報活動に於いて常に後れをとってきた日本では希有の、大物スパイの実像に迫る。歴史を動かした男たちが、全欧州を舞台に繰り広げるスリルに満ちた情報工作記。

目次

第1章 二匹の黒豹
第2章 北方の美女のもとへ
第3章 日露破局
第4章 フィンランディアのように
第5章 檻から躍り出た黒豹
第6章 薔薇の里の革命家たち
第7章 岩は動いた
第8章 サッチョー邸の密談
第9章 ユダの功罪
第10章 怪僧ガポン
第11章 のろしは上がった
第12章 盗まれていた暗号
第13章 ジョン・グラフトン号の船出
第14章 長蛇逸せり

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ワッピー

35
日露戦争における明石工作の全容を明石元二郎とシリヤクスの交流を軸に描いた小説。ロシア帝国の内部崩壊に至るまでの様々な抵抗勢力の絡み合いと、ロシア諜報機関のオフラーナとのだまし合い、結果として引き起こされた抵抗活動を網羅していて、情報戦史としても、また黎明のソ連政党史としても非常に面白い。最も過激な党に潜入していたオフラーナの二重スパイはいったいどういう心理だったのか、興味が尽きません。本書は近年の史学研究成果も取り入れていて、学生時代に会ったことのあるこのテーマの研究者名を本文中に見て嬉しく感じました。2022/03/17

James Hayashi

28
明石元二郎は陸軍大将まで登りつめたが、露、仏、独の三ヶ国語をマスター、台湾の総督にもなった人。この作品では日露戦争での北欧での諜報活動の様子が記されている。なんとも驚かされるのが、参謀本部は使途に制約もつけず現在の価値の200億円あまりを明石に渡している。日本の国力、軍備力もロシアの1/10程度であったが、ロシアの圧政の下にあったフィンランドなどの革命勢力と結びつき戦争を有利に進めようとの企てであった。ロシア革命の前触れとなったポチョムキンの反乱も明石の資金が流れ込んだと著者は記述。続く→2017/05/30

Hisashi Tokunaga

0
情報将校の明石大佐の異能に感心した記憶。こうした人材が輩出された明治の異色さにも言及されるべきだろう。(2015.9)

@yuc

0
坂の上の雲、を読んだ後に、明石サンのことが気になり、手に取りました。協力者はいるものの、彼の裁量であんな大きな金額と人を動かした結果の凄いこと!明石元二郎メインの話かと思いきや、同志シリアクスの動きもかなりのボリューム割かれてるので、日露戦争あたりのヨーロッパの空気感も掴めます。世界史で学んだキーワード、点と点がつながって理解が深まりました。血の日曜日とか、戦艦ポチョムキンとか、レーニンとか。もう少し明石サンの心情表現あるともっと楽しめたかも。。。次の宿題はシドニー・ライリー。2023/01/23

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