内容説明
ドライブに連れてって。赤いオープンカーで―交通事故で夫を亡くして以来、車椅子の生活を送ってきた叔母の願いは意外なものだった。やがて男は叔母の秘められた思いと、ある覚悟に気づくが…(「いまひとたびの」)。大切な人と共有した「特別な一日」の風景と時間。それは死を意識したとき、更に輝きを増す。人生の光芒を切ないほど鮮やかに描きあげて絶賛された傑作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
69
「あらざらむこの世のほかの思い出に・・」私の人生で一番大切な人との別れはまだまだ先であって欲しい。「お父さんお疲れ様。私もなんとかやっていくからね」が父との最後を呼んでしまった。死は突然訪れるかもしれないし、じんわり忍び寄って来るかも知れない。仲良くしていた友達の夢をみると、彼女に何かあったのじゃないだろうかと気を揉む。これまでにもうたくさんの友達とお別れしてきた。そろそろ私のエンディングノートを書かねばならないが・・まだもう少し誰ともお別れしたくはない。2016/06/16
背番号10@せばてん。
33
【1994_直木賞_候補】【1994_日本冒険小説協会大賞短編部門大賞】【1995_このミス21位】1997年11月17日読了。あらすじは忘却の彼方。(2019年1月21日入力)1997/11/17
金吾
25
死が関連する静かな感じで時間が過ぎていく短編集です。あっさりと書かれている感じでありながら、少し考え込まされる話でした。「海の沈黙」「いまひとたびの」が良かったです。2024/10/23
ふう
18
それぞれの短編の最後がいいですね。その最後の瞬間を楽しむために読み進めるって感じでした!いつかまた読み返したい作品です。2015/03/20
そーいち
13
人間誰しもが訪れる「死」というものをテーマにした珠玉の短編集。普通ならば特別なものとして描くそれを作者はあくまで淡々と、でも濃密に描いてく。人生の夕暮れを切り取ったような書きぶりは、はやり良い。「七年のち」と「海の沈黙」が特に良かった。前者はラスト付近での回想シーンが抜群。その映像が目に浮かぶよう。自分はこういうテーマに弱いのです。後者も最後の1文でグッとしめる。語らずとも見えてくる奥行きが素晴らしい。大人の短編集で自分もこういうのが読めるようになったのかぁ、としみじみ実感。2023/09/10