新潮文庫<br> 行きずりの街

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新潮文庫
行きずりの街

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  • サイズ 文庫判/ページ数 356p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101345116
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

女生徒との恋愛がスキャンダルとなり、都内の名門校を追放された元教師。退職後、郷里で塾講師をしていた彼は、失踪した教え子を捜しに、再び東京へ足を踏み入れた。そこで彼は失踪に自分を追放した学園が関係しているという、意外な事実を知った。十数年前の悪夢が蘇る。過去を清算すべき時が来たことを悟った男は、孤独な闘いに挑んでいった…。日本冒険小説協会大賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

312
志水辰夫は初読。展開の速いサスペンス・ミステリー。ハードボイルドだが、主人公の波多野は元高校の国語の教員であり、一般的な意味のタフ・ガイではない。実際、殴られたり蹴られたりと散々な目にあっている。ただ、心意気においてはなかなかに不屈な闘志を見せてはいる。そして本書は同時に雅子との12年越しの恋愛小説でもあるのだが、彼らの愛のあり方やその表現は、昭和レトロの趣きである。すなわち、演歌めいた古さは否めない。また、波多野がかつての教え子を探しに篠山(兵庫県)から東京にやって来るという設定にも幾分か無理を感じ⇒2024/04/24

遥かなる想い

133
女生徒との恋愛がスキャンダルとなり、都内の名門校を追放された元教師が過去を清算すべく真実を求めていく話だが・・やや人物描写に力をいれすぎて話の展開が唐突な感じがするのだが・・2010/08/29

いつでも母さん

128
祖母の病が悪化したため、その失踪した教え子を探しに自分の過去とも向き合う男。塾講師がこんなに活躍しちゃう?と、思いつつミステリーとハードボイルドの合間に純愛を混ぜ込んだ世界を堪能した。かつて教え子と結婚し、それが自分を追放するネタにされ、職も妻も失った男かぁ・・先生、あなたは不死身ですか?愛の為に死ねるのですか?と問いたい。私はダメだ。この波多野先生にも夫婦をやり直す雅子にも、そして失踪したゆかりにも共感出来なかった。「あなたは道連れがいなくてもいい人よ」「君と出会えて幸せだった。」・・・無~理!2016/01/25

ゴンゾウ@新潮部

103
わずか3から4日の出来事なのに目まぐるしく展開する。連絡を取れなくなった教え子を探すために上京した塾講師が、スキャンダルで職を解かれた学園の汚職事件に巻き込まれる。失踪した教え子、12年ぶりに再会した元妻、元同僚などが交錯する。前半の静かな展開してから後半はハードボイルド的な展開へ。良い意味で昭和のにおいが残る作品。2017/11/17

タックン

97
再読。その年のこのミス1位・日本冒険小説協会大賞受賞の志水さんの最高傑作と言われてる作品。これがシミタツ節かもしれないがミステリー部分は曖昧な表現が多くわかりにくいな。特に失踪した塾の教え子が過去に追放された名門学園と関係している偶然とか学園の経理部長をしていたキーパーソンが名前だけで実際には登場しないとか・・・・。でも細かな人間関係描写とかは確かに素晴らしいと思った。それよりも過去に女生徒とスキャンダル恋愛に失敗し12年後に再会しお互いの気持ちを確かめ合うっていう恋愛小説としては一級品だと思う。2016/01/08

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