新潮文庫<br> 絵本を抱えて部屋のすみへ

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新潮文庫
絵本を抱えて部屋のすみへ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 266,/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101339177
  • NDC分類 019.5
  • Cコード C0195

内容説明

自分が自分だと気づく前に遇ってしまっていた絵本。愛してくれている大人の温もりと共に身体にしみこんでしまっている絵本。人生の複雑さを知った心に響いて忘れえぬ一冊となった絵本。ブルーナ、ポター、クーニー…私がいまの私になるために、絵本たちとのとても大切で幸福な出会いがあった。絵本という表現手段への愛情と信頼にみちた、美しく豊かな言葉で紡がれた35編のエッセイ。

目次

わたしに似たひと―フランシスの絵本によせて
ここではないどこか―センダックの絵本によせて
生活の愉しみ―プロヴェンセン夫妻の絵本によせて
個人的なこと―童謡絵本によせて
地上の天国―バーバラ・クーニーの絵本によせて
憧れのパリ―マドレーヌ絵本の世界
日常生活はかくあれかし―がまくんとかえるくんの絵本によせて
たくさんの人生―ビアトリクス・ポターの絵本によせて
のびのびしたアメリカ―アメリカ古典絵本の世界へ
骨までしゃぶる―グスタフ・ドレの絵本によせて
悦びのディテイル―ピーター・スピアーの絵本によせて〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

332
かつて『MOE』に4年間にわたって連載されていたもの。絵本の紹介であり、それらの本に纏わる思い出等を語ったエッセイ。エッセイとしての質も高い。取り上げられている絵本は100冊を越える。これまで知らなかった作家あるいは絵師もいて、大いに参考になる。もちろん、ここに取り上げられていない優れた作品も多数あるわけで、江國さんに教えてあげたくなる。それにしても『不思議の国のアリス』が不在なのはどうしたことだろう。アーサー・ラッカムの挿絵とともに入っていて当然だと思われるのだが。2023/06/25

やすらぎ🍀

209
感じるもの。想像するもの。本。そこから生まれる世界のかたちは見えないのに、この気持ちを誰かに伝えたくなる。今日も扉を開けれは物語に出逢える。終わりたくないのに本を閉じれば戻ってしまうけど、心の奥の本棚にはまた一冊の絵本が並ぶ。本を開けばそれぞれの泉が広がっていて、ときに落ちた雫に水面は揺れるけど、安心できる場所を探していく。ひとりきりの哀しみを生命のよろこびを。心のやすらぎを感嘆のためいきを。愛や美を長く保つ方法は物語にすることなんだよ。絵本を抱えて部屋のすみに座ると心躍るだろう。みんな物語が好きなんだ。2023/05/16

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

152
私の中で季節を連想させる作家というのが何人かいて、江國さん、村上春樹氏は何となく秋のイメージ。実際にはそれ以外の季節の作品も書いているし、他の季節にももちろん読むのだけれど。 この人の語り口は多分に詩的で絵本的だ。言葉を追う時間自体が心地よくて、お気に入りの絵本のシーンなんかが写真つきで挟まっているのもとっても素敵。それを語る江國さんの言葉のひとつひとつが煌めいていてまるで宝石箱。 絵本は常に守られていた記憶とともにあって、それを抱えて部屋のすみにいるような至福の読書時間。やっぱり大好き。2018/09/30

アン

102
江國さんがお気に入りの絵本を一冊ずつとりあげ、その作品によせて綴られたエッセイ。カラーで表紙や物語の一場面を紹介されていて、江國さんの優しい感性で紡がれた言葉が魅力的です。懐かしい絵本、初めて出会う絵本、プレゼントしたい絵本など多数。自然の風景、繊細な表情、豊かな色彩、リズミカルな言葉、詩情…。絵本を読むことの愉しさがきらきらと、ほのぼのと伝わってきます。五味太郎さん、山本容子さんとの対談も収録。絵本を開き、心躍らせ幸せな気持ちになったり、子供と一緒に冒険するのも素敵ですね。 2020/03/27

masa@レビューお休み中

95
他人がどんな本を読んでいるかなんてことには、まったく興味がなかった。それが、読書メをするようになって根本が覆ったんですよね。他人が薦めてくれる本がすこぶる面白いのである。ここでは、江國さんの思い出の絵本や大好きな絵本なんかを紹介しています。敬遠していた作家さんばかりだったので、新しい作家さんを知る良い機会になりました。また、江國さんの情感溢れる文章が読書欲をくすぐるんですよね。絵本への愛が詰まった本といっても良いかもしれないです。バーバラ・クーニー、ワイズ・ブラウン、アーノルド・ローベル読んでみようかな。2013/08/01

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