新潮文庫<br> 本格小説〈上〉

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新潮文庫
本格小説〈上〉

  • 水村 美苗【著】
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • 新潮社(2005/12発売)
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  • サイズ 文庫判/ページ数 605p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101338132
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報



水村美苗[ミスムラ ミナエ]
著・文・その他

内容説明

ニューヨークで、運転手から実力で大金持ちとなった伝説の男・東太郎の過去を、祐介は偶然知ることとなる。伯父の継子として大陸から引き上げてきた太郎の、隣家の恵まれた娘・よう子への思慕。その幼い恋が、その後何十年にもわたって、没落していくある一族を呪縛していくとは。まだ優雅な階級社会が残っていた昭和の軽井沢を舞台に、陰翳豊かに展開する、大ロマンの行方は。

著者等紹介

水村美苗[ミズムラミナエ]
東京生れ。12歳で渡米。イェール大学仏文学専攻。同大学院博士課程修了。プリンストン、ミシガン、スタンフォード大学で日本近代文学を教える。著書に『続明暗』(芸術選奨新人賞)、『私小説from left to right』(野間文芸新人賞)、『手紙、栞を添えて』、『本格小説』(読売文学賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヴェネツィア

427
珍しい構成をとる小説。冒頭には「本格小説の始まる前の長い長い話」と題して『縦書き私小説』様のものが置かれる。ここでは「私」と東太郎との邂逅が語られるのであるが、「私小説」は何やら偽装めいている。続く第2章から、作者言うところの「本格小説」が始まるのだが、前半の2章は裕介が、後半の2章は冨美子がそれぞれ視点人物として措定されている。こうして、随分婉曲に、しかも実に悠長なスピードで次第に核心に向かってゆくのである。ただ、悠長ではあっても、それは冗長に陥ることなく、あくまでも優雅である。2020/11/19

遥かなる想い

123
第54回(2002年)讀賣文学賞小説賞受賞作。本のタイトルに惹かれて購入。大上段に構えたこの本は確かに「いかにも」という要素満載の物語である。舞台は軽井沢で主人公は運転手から大金持ちになった伝説の男・・まるで小説のような物語と言われたらしいが、昭和の階級的な雰囲気をうまく伝えてくれている。

夜長月🌙@5/19文学フリマQ38

67
戦後から高度経済成長期に入るまでの頃、まだ階級社会が日本でも一部残り日本版「ロミオとジュリエット」は始まります。恋愛だけに焦点を合わせるのではなく上流社会やその一族を広く描き切ることでスケールの大きな物語となっています。今はまだ序盤。下巻が楽しみです。2021/10/09

いちねんせい

50
今回もはまってしまった。一度足を踏み入れたら帰ってこられない。毎日寝る前に少しずつ読むのだけど、気がついたら昼間もこの本のことを考えている。すぐに下巻へ。でもずっと読んでいたいから、最後まで読み終えたくない自分もいて一人で葛藤する。2020/08/26

ミホ

49
前書きが文庫約1冊分のページ数で、語り部のようなエッセイを読んでる気持ちで一回満足してしまいそこで失速しましたが、本編を読み進める内に更にまた引き込まれました。風景や時代の情景表現に物語の描写がより描かれました。アメリカで財を成したある男の大河小説。後半はスイスイ読めましたが最後の一行で持っていかれましたね、もう…下巻読まなくては!ちなみに幼少の思慕が呪縛や没落って大ロマンスなんですね、これからですが。しかし面白かったです。なんかすごい本だった。まだ上巻だけども。2015/05/28

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