内容説明
莫大な財産をもてあましている大富豪・宮島勉。彼と青年秘書・田ノ倉は、とんでもない遊びを思いついた。田ノ倉が選んだ見ず知らずの人間に一億円を進呈し、その後の人生がどう変わってゆくかを観察するのだ。というわけで、ある日突然、大金をもらってしまった男女五名。一億円に翻弄される人、見事に使う人、泣く人、笑う人…。名手・赤川次郎の紡ぐ五億円の物語をご堪能あれ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
86
1億円を、何に使ったかという報告さえすれば、自由に使えるという。 お金持ちの道楽。 誰に渡すかを秘書が調べ,了解を得て渡す。 お金持ちの遊びとしては、人の人生を左右するものなのでなるほどと思う。 悪を懲らしめ,善を尊ぶという傾向もあるが、 必ずしもそうでない話もあるところが面白い。 続編があるので一緒に読むと良い。 自分では続編から読んでしまったが、本編の方が面白かった。2011/06/29
再び読書
43
赤川氏らしい軽妙な味付けの中に、ハッとする視線が入っていて面白かった。多作の赤川氏の当たりの作品だと思う。人生は悲喜交々、色々考えさせられる。2018/11/30
mr.lupin
41
赤川次郎さんの著書六冊目読了。大富豪の宮島とその秘書の田ノ倉は、とんでもない遊びを思い付いた。田ノ倉が選んだ見ず知らずの人間に一億円を進呈し、その後の人生がどう変わってゆくかを観察するのだ。せっかく一億円も手に入るのだから、そこからもっと波瀾万丈な展開を期待してたが、割とあっさりしていたかな。五篇のうち「仰げば尊し」は秀逸だった。ちなみに一億円あったら、何に使おうかな?⭐⭐⭐★★2023/11/05
ふろんた
27
突然1億円をもらった人間はどんな行動をするのかという観察。あっさりとした展開で感情の描写もあまりなく、結果が決まっているかの如く話が進む。実は、お金がなくても同じ結末を迎えることを示唆しているのではないだろうか。このテーマで、いろんな作家が書くと面白そう。しかし、今回の登場人物は何ともつまらないお金の使い方をするもんだ。私ならもっと有効に使うぞ。いつでももらう準備できてるし。だから、誰か1億円ください。2014/07/30
ニカ
26
1話、2話、3話が面白かった。一億欲しいなぁ。2020/01/04