新潮文庫<br> 東電OL症候群(シンドローム)

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新潮文庫
東電OL症候群(シンドローム)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 443p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101316345
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

女なら誰しもがもっているんじゃないかしら、そういう堕ちてみたいといった感情を―。『東電OL殺人事件』に自らを投影した女たちの肉声、赤裸に語られた事柄は胸が潰れるほどの真摯な性だった。「逆転有罪」で迷走を続ける法廷、新たに起きる事件。死してなお強い磁力を発するエリートOLの眼差しが、日本社会の闇までをも浮き彫りにする。もはや瞠目するしかない、渾身のルポ。

目次

第1部 迷走法廷(明暗;感染;控訴;不毛;物語)
第2部 神様、やってない(暴走;分析;差別;転向;手紙)
第3部 緋色のけものたち(告白;記者;救援;読者;連鎖)
第4部 売春と買春(上告;憑依;少女;故郷;弾劾)

著者等紹介

佐野真一[サノシンイチ]
1947(昭和22)年東京生れ。出版社勤務を経てノンフィクション作家に
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

53
うーん、読まなくてもよかったかも。前作が衝撃的だったので、二匹目のドジョウを狙ったんでしょうが、取り立てて新しい事実はなかったような。自己弁護と自画自賛ばかり鼻について、少々うんざり...でした。辛口すみません。2014/07/16

猫丸

12
一審では結果的に事件の謎を解明できなかった。当然ゴビンダ氏は無罪となり、別件の入管法違反によりネパールへ強制送還されて彼の悪夢は終わるはずだった。検察は控訴審で有罪に持ち込むつもりでゴビンダ氏再勾留を要請するが、これは相当な無理筋である。裁判所は当然これを却下する。しかし再三にわたる要請のさなかで何らかの力学が働く。結果的に裁判所は無罪判決を出した直後のゴビンダ氏を再勾留する。そして控訴審はハイスピードで進み、逆転有罪の無期懲役となる。新証拠なしで判決が180°変わるなら、裁判は運ゲームということになる。2022/11/20

しろ

11
☆5 当時は子供だったし、前作も読んでなかったから詳細を飲み込むのに時間がかかってしまった。被害者と加害者にとても感情移入した一冊。ビックリしたのはこのOLのダークエース扱い。日本女性の職場環境の劣悪さ、隠れた性衝動があるのは解るが、だからといって、そこを突破した彼女を称え敬う姿勢は間違ってる。それはむしろ彼女を貶めることだと思う。加害者ネパール人男性をめぐる裁判の様子は確かに酷い。ちゃんと真実を探して欲しい。このレベルの問題は難しい。焦点を当てると偏向した考えになるし、全体をみようとすると曖昧になる。2011/08/21

fukky

10
前作は衝撃だった。被害者が特徴的だったことに加え、容疑者に対する明らかな冤罪と思える事柄を丁寧に論証し、そして一審無罪というハッピーエンドに溜飲を下げた。その続編ということで期待大だったのですけど、ちょっと期待はずれかな?新しい事実や裁判の展開もなく、被害者を徒に掘り下げているとしか思えない描写。大新聞が被害者名や所属企業名を伏せて報道しているのが理解できる。それに引き替え、被害者のプライバシーをさらにひっくり返していく過程には違和感。であれば司法や警察にその刃を向けて欲しかった。2014/09/17

Ted

9
'01年12月刊。○事件に直接関係する現場や関係者のもとに何度も訪れているだけでなく、取材対象に付随する場所ならば「そこまで!」と思うような所まで悉く足を運ぶ取材姿勢には感心する。どんな些細なことでも見落としている点がないかまず現場に来て自分の目で確かめることが大切で、そこで感じたことから事件の全体像を想像する手法が確立している。そうして紡ぎ出された物語はたとえ真実と多少ズレていたとしても読ませるものがある。上昇志向は高くても育ちや人間性に問題がある村木のような男はそもそも判事になどなるべきではなかった。2014/03/28

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