出版社内容情報
興奮度No.1自転車小説『サクリファイス』シリーズで明かされなかった、彼らの過去と未来――。感涙必至のストーリー全6編。
団体戦略が勝敗を決する自転車ロードレースにおいて、協調性ゼロの天才ルーキー石尾。ベテラン赤城は彼の才能に嫉妬しながらも、一度は諦めたヨーロッパ進出の夢を彼に託した。その時、石尾が漕ぎ出した前代未聞の戦略とは――(「プロトンの中の孤独」)。エースの孤独、アシストの犠牲、ドーピングと故障への恐怖。『サクリファイス』シリーズに秘められた感涙必至のストーリー全六編。
内容説明
団体戦略が勝敗を決する自転車ロードレースにおいて、協調性ゼロの天才ルーキー石尾。ベテラン赤城は彼の才能に嫉妬しながらも、一度は諦めたヨーロッパ進出の夢を彼に託した。その時、石尾が漕ぎ出した前代未聞の戦略とは―(「プロトンの中の孤独」)。エースの孤独、アシストの犠牲、ドーピングと故障への恐怖。『サクリファイス』シリーズに秘められた感涙必至の全六編。
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969(昭和44)年大阪府生れ。’93(平成5)年『凍える島』で鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。2008年『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さてさて
385
六つの短編は、今までのシリーズに登場した三人の人物が主人公となって登場しレースへと出場していく姿が描かれていきます。『後ろを走る俺たちには、エースがゴールを切る瞬間も見えない。それでもそれを思い描く。彼ならば絶対にやってくれると信じながら』という『自転車ロードレース』における『アシスト』の存在に光を当てるこの作品。六つの短編に取り上げられたさまざまなレースの場面が、手に汗握るようなスポーツ観戦の醍醐味を味わわせてもくれるこの作品。近藤史恵さんの「サクリファイス」シリーズの中でも傑作中の傑作だと思いました。2022/05/23
あすなろ
263
ただ孤独に貪欲にレースを走るーそんな石尾等を、サヴァイヴシリーズの時間軸を、様々に描く。もちろん、本シリーズの主人公である白石の最終章も良かった。リスボンの情景と彼の心情のミックス加減が印象的。それに加え、岩尾の描き方はその上を行く。彼を淡々とかつ秘めたる情熱を固い殻で描く近藤氏の筆致は三作目である本シリーズをまた更なる深みへと誘ってくれた。四作目にも誘われているので、またこの世界に浸ろう。2015/06/30
小梅
253
ツールが始まる前に、と「サクリファイス」「エデン」「サヴァイヴ」と続けて読みました。また「サクリファイス」から読みたくなってしまいました。2014/06/18
しんごろ
246
『サクリファイス』のシリーズ第3弾!石尾 豪、これでもかというぐらい、なんて不器用なんだ。不器用だけど生き方は格好いい。正真正銘の漢だね。誓(ちかう) が、アシスト役が適材なのもわかった気がするし、伊庭には自転車に対する貪欲さを感じて、そして意外と優しい。赤城には、見習って学ぶことが多かった。それにしてもドーピングはスポーツの世界では永遠の課題だね。ドーピングするような弱い心を持たないように、鍛錬に鍛練を重ねて心を鍛えてほしいね。素敵なスピンオフ集でした。とにかく石尾がかっこよすぎです。2019/11/14
ううち
223
サクリファイス、エデンを読んだのがだいぶ前だったので繋がりが分からなくなっていたけどやっぱりこのシリーズは面白い。アスリート精神のギリギリな所にゾクゾクする。 マイナースポーツだから、知名度を上げるためなら八百長でも!というのはどうかと思うけど、そんなやり方でもメジャーになれば選手たちがもっと楽になることもあるというのが何とも言い難い気持ちにさせられる。サクリファイスとエデンを再読しなくては。2018/04/16