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新潮文庫
少年H〈下巻〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 494p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101311074
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

中学生になったHは、軍事教官から「反抗的だ!」とマークされ、殺されそうになる。戦争は日々激しさを増し、空襲警報が連日のように鳴り響き、米軍機の猛爆で街は炎上する。その中を逃げまどうHと母親。昭和20年8月、やっと戦争が終わるが、暮らしの過酷さはその後もつづいた。“あの時代”、『少年H』は鮮やかに“戦争の時代”を伝えてくれる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

167
新潮百冊】入手の都合で下巻から。夜間行軍演習など戦争当時の日常生活の一端を描写している。「セノオの狙い方、撃ち方ともに文句なし。次もよう狙って撃てよと行った。Hは、よく狙えといわれても、」少年Hはセノオなんだ。阪神大震災の被災地は、戦災消失地でもあったことを知った。知らないことだらけ。同じ戦争小説でも、場所、年代によって、内容、方向性の違いが分かった。解説:瀬戸内寂照、世代が近く、徳島と神戸。さらに瀬戸内さんの親戚が神戸にいて、瀬戸内姓はそちらからとか、話題もいろいろ。相手と自分の情報が均衡して興味深し2013/07/22

扉のこちら側

83
2016年266冊め。焼け跡に舞い上がる燃え残りの岩波文庫の白い切れ端が印象に残る。思えばこの作品、野坂昭如の『火垂るの墓』と同じ、神戸大空襲が出てくるのだな。17歳のHと、火垂るの墓の14歳の清太。Hは学校に住み着いて自活し、清太は4歳の節子ともども防空壕に住み着き、栄養失調で亡くなってしまう。親の有無や周囲の大人達の対応の違いの差は、現実でも多くの子どもたちの生死をわけたことだろう。2016/04/22

ケイ

47
少年達、特にHの逞しさ、日に日に成長していく様に感動しながらも、少年のままでいられない状況に胸が痛む。少年Hや彼の父の考え方は、当時の時勢に流されず素晴らしいものであったが、後年になって作者が記憶違いをしているのではないかと思うほどだ。神戸という、外国人がたくさん住んでいる地域だったというのも一因だろうか。あっという間に神戸の街が焼夷弾で焼け尽くされていく様子が怖かった。映画も是非見てみたい。2013/08/25

かいちゃん

36
Hは、まっすぐで、素直で、行動できる子やないか。 大人がウソで固めてても違和感があったんやろなぁ。2022/02/15

美雀(みすず)

28
戦時中の日本は日常生活にも辛い事がたくさんある事と、それを強いたげる軍国主義が信じられなかった。私には耐えられない。それを乗り越え、生き抜く人々はたくましい。ただ、学校教育の手を返されたやり方には納得いかなかったのだろうな。2015/10/09

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