新潮文庫<br> 蛍川・泥の河 (改版)

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新潮文庫
蛍川・泥の河 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 199p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101307091
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

純真な幼い少年ふたりの引き裂かれた友情に、涙。

土佐堀川に浮かんだ船に母、姉と暮らす不思議な少年喜一と小二の信雄の短い交流を描いて感動を呼んだ太宰治賞受賞の傑作「泥の河」。北陸富山の春から夏への季節の移ろいの中に中三の竜夫の、父の死と淡い初恋を螢の大群の美しい輝きの中に描いた芥川賞受賞の名編「螢川」。

内容説明

戦争の傷跡を残す大阪で、河の畔に住む少年と廓舟に暮らす姉弟との短い交友を描く太宰治賞受賞作「泥の河」。ようやく雪雲のはれる北陸富山の春から夏への季節の移ろいのなかに、落魄した父の死、友の事故、淡い初恋を描き、蛍の大群のあやなす妖光に生死を超えた命の輝きをみる芥川賞受賞作「蛍川」。幼年期と思春期のふたつの視線で、二筋の川面に映る人の世の哀歓をとらえた名作。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

443
『蛍川』は1978年下半期の芥川賞受賞作、併録の『泥の河』は著者のデビュー作で太宰賞を受賞。いずれもラストシーンが鮮やかで心に沁みる。この人の小説作法はエンディングが先にあって、そこから逆に遡って物語を構成していくのだろうか。『蛍川』のそれは、ことさらに美しく、幻想的である。しかも、それが蛍の乱舞であるだけに、儚さを伴い、そこに独特の抒情を喚起する。自分が体験した訳ではないが、物語の持つ強い郷愁と哀愁に包まれるのだ。実験的なところはなく、地味でさえあるのだが、作者の思い入れの強さはひしひしと伝わってくる。2013/05/25

ろくせい@やまもとかねよし

413
昭和30年を舞台とした「泥の河」「螢川」を収録。「泥の河」では大阪安治川の男子少年が主人公。生を受けた人間は公平に死を迎える。しかし実際は貧困からの事故や不条理な戦死と不平等。同じように生の質も慣習や経済で不条理に不平等。戦後高度成長で激変する生活の質から「生」の本質を考察。「螢川」では、富山いたち川の男子青年が主人公。人間社会の理不尽な慣習や格差ある自由経済だけでなく、自然も人間には極めて不条理。しかし、不条理な自然は時に人智が及ばない奇跡を分け隔てなくすべての人間に与える。自然の中の「生」を考察。2020/02/29

遥かなる想い

302
読んだ時にまるで太宰治の本を読んだような暗い雰囲気に酔っていた。あれから、ずいぶんの歳月が流れて、宮本輝が書く世界も変わってしまった。『泥の河』の中で…廓舟の 扉をかたくしめたまま、去っていくシーンが 姉弟の哀しい心情を強く表わしているようで、読んでいて胸が痛んだのを よく覚えている。宮本輝の 初期の頃の作品には、みずみずしさと 人間の、どうにも説明できない「業」のようなものが物語の中に、ほどよく感じられて、今でも懐かしい。2010/05/12

zero1

296
「螢川」は輝の小説で最も優れていると私は思う(「錦繍」が続く)。短い中に過不足なく描写しているところは流石! 情景が目に浮かぶ小説というのは、とても貴重。鬱々とした場面が多いが、それらが解き放たれる瞬間の輝きは見事。 輝は芥川賞選考委員としても短さという点にこだわっている。ある意味、「螢川」は純文学の完成形と言える。 父親が倒れる場面など、自伝的小説「流転の海」シリーズと重なる。「泥の河」については、映画の印象がすごく強い。 鯉の描写、蟹の狂気と米の暖かさを表現できる作家がどれだけいる?2018/10/24

yoshida

283
初めて読む宮本輝さんの作品。短編2編収録。どちらの作品にも共通する、人生の危うさと切なさ。まず「泥の河」。昭和30年の大阪が舞台。戦争の傷痕が残る街で皆が暮らすことに手一杯の時代。うどん屋の少年信雄は、廓舟の姉弟と仲良くなる。職業への蔑視と反感、廓舟の漂泊の悲しさ、少年の戸惑いが巧みに描かれる。生活の苦しさの中での姉弟への優しさが淡い余韻を残す。「螢川」での少年の初恋と生計への絶望。少年に差し伸べられる救いの可能性が淡く輝く。何より最期の螢の大群の光景が圧倒的に美しい。人生の喜びと悲しみを巧みに描く名作。2019/01/03

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