内容説明
人は誰もが物語のなかを生きる―。夕方の静かなバーで、夏の終わりの海辺のホテルで、落ち葉が舞う散歩の小道で…。大人の男と女が紡ぎだす甘い想い出、夢のような恋、理想的な恋愛関係、せつない別れ。結末は誰にもわからない、それぞれの愛の物語を小説に描くひとりの作家と、彼をとりまく魅力的な女性たち。胸の奥深くに余韻が残る巧みな作りの連作恋愛小説6篇を収録。
目次
趣味の腕立て伏せ
そして最後にマヨネーズ
ソノマの重い赤
甘く優しい短篇小説
三日月と会話する
いちばんつらい人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
時効警察
13
久しぶりの片岡先生。 生活感のない色気の間のある文章でした。たまに出てくる激しい感情すら薄いベールに包まれているよう。よき。2020/10/26
YO)))
7
「そして最後にマヨネーズ」に甚く感銘を受けた.作家の男が女に,ブローティガンの「アメリカの鱒釣り」の一節に出てくるように,最後がマヨネーズという言葉で終わる物語を書きたい,と語る.で,どうするのかなと思って読み進めると,男と女がショッピングモールで待ち合せて,色々買い物をしたあとに,食品売り場で最後に手に取ったのが…マヨネーズ! ひねりがなさ過ぎて逆に凄い,とかそういうレベルすら軽く越えてしまっている確立されたスタイルだと思った.2015/09/06
FlowerLounge
0
片岡義男はもっと評価されていいと思う。☆32008/08/31