内容説明
いまは、となりに眠っているけれども、明日になればどこへ行ってしまうのか分からない彼。いつも微笑んでいた昨日までとは打ってかわって、沈みこんでいる彼女。さりげないしぐさ、不思議な会話、そして誰にも話したことのないほんとうの気持―。ミスティーな恋人たちの心のカーテンを開いてみせた、サスペンス風味の、ちょっとしゃれた六つのラブ・ストリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
@nk
43
ここ2,3年ほど注目している農業兼文筆家がいて、彼が少し前に何度か触れていたのが片岡義男の小説。先々月に立寄った古書即売会で見かけ、少し冒険的に入手したのが本書。/情事を軸に、電話が携帯される以前の80年代が描かれた6つの短篇集。著者が切り取りたかったものは、きわどい自由奔放さを持ち合わせる男の魅力、だろうか。それともこのような作風こそが片岡ワールドなのだろうか。/もちろん衝撃的だったのは表題作。けれど『きみはただ淋しいだけ』のノスタルジーが良くて、この篇だけを読んだなら片岡義男の印象的も大きく⇒2023/11/26
az
2
初片岡義男。うーんあんまりよさがわからないぞ。春樹の僕には感じないハイソでモテる男のいやらしさを感じてしまった。このだらだらとした会話も何作か読むうちに魅力に感じるのだろうか。わからない。2011/10/14
しろくま君
1
オシャレ小説です!ドヤ!って感じがめちゃくちゃ鼻につくし、全然オシャレじゃない。村上春樹劣化版って感じ。やれやれ。2021/02/10
かに
1
「さっきまで優しかった」という既に物語を感じるタイトルにやられて、購入。 一方的に告げられた男女の別れを感じます。決まって振られるのは女性。 そんな分かった風のこといっている私は童貞なんですが、(逆ギレ) 登場人物の女性たちは結ばれないことで、美しい過去の思い出として保管できることを分かっていると思う。 この本一冊がどこかオシャレだなあと感じるのは泥臭いやつが1人もいないからだと思う。 それ故に一人一人の印象は残っていません。私個人として、この本に主人公と呼べる人はいないと思いました。 2020/08/06
ソナチネスナッチ
1
「優しさ」について考え込んだ。ともかく、昨今の「○○君って優しい」というような、安易に指摘されてしまう優しさは、ただのテクニックだ。テクニックを実際に用いるという優しさと言えなくはないが、表面的すぎて、バカバカしい。だから僕は『ヒドイ男』という姿を取り繕って、それでも体内からにじみ出る優しさを身に付けることにチャレンジしようと決心した。2010/05/23