内容説明
ガン患者の心の叫びを代筆する“手紙屋”を病院内に開業した精神科医・純一。彼の元には嘘つきな陸サーファー、放蕩を尽くした眼科医、失職しそうな元ヤンキー板前など、ひと癖もふた癖もある面々が依頼に訪れる。そんなある日、家族のもとで最期を迎えようとハワイに帰った患者の妻から手紙が届いた…。末期ガンに襲われた世界的ウィンドサーファーが綴る、奇跡のような愛の物語。
著者等紹介
飯島夏樹［イイジマナツキ］
１９６６（昭和４１）年、東京生れ。日本人で唯一、８年間ワールドカップに出場し続けた世界的プロウィンドサーファー。引退後はグアムでマリンスポーツ会社を経営。２００２（平成１４）年５月、肝臓ガンと診断され、’０４年６月、余命宣告を受ける。病床で始めた執筆活動に生き甲斐を見出し、処女小説『天国で君に逢えたら』がベストセラーになった。同年８月、最後のときを過ごすために家族でハワイに移住。’０５年２月、妻に見守られながら天に召された（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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hisato
33
健康(だと思ってる)であるうちは考えたことが無い内容が詰まってます。話自体はフィクションだそうですが、著者自身の経験が入っているようで、癌患者の闘病中の苦悩はかなりリアリティがあるように感じました。特に清水さんの話は感情がストレートに書かれてました。 意外にここでも手紙屋が出てきていて、今の社会ではそういう潜在的需要があるのかもしれないですね。 源三さんや大三さん、愛ちゃんやシュージさんと登場人物も良くも悪くも(？)特徴を出して書いてあり、とても読みやすかったです。 自分だったらとはあまり考えたくない…2016/09/25
タルシル📖ヨムノスキー
23
がんセンター内に、がん患者の心の叫びを手紙に認める〝手紙屋ヘブン〟を開いた精神科医が主人公の物語。主人公自身はうつ病やパニック障害の病歴を持つ。この時点で「精神疾患って医療従事者の欠格条項じゃなかったっけ？」とか、「手紙の代筆って、診療報酬の請求できるのかな？」なんて無粋な考えは置いといて、本当にこんなお店(？)があったらいいのにと思う。お店が出来るまでが長くて、実際のがん患者さんの気持ちがもっともっと知りたいと思ったのだが、残念ながら作者さんは亡くなられていて、それが叶わないのがとても残念です。2019/02/15
ぴーなっつ
11
スペシャルドラマを見て、読みたいってずっと思ってた本。良かった。手紙の代筆、いいよね！続編本も読みたい。2015/01/27
sou
10
手紙屋を院内開業した純一と依頼人の物語と裏表紙に書かれていた。確かに間違いではないだろう。ただ最後のまで読んでみると何か違う気がする。終わった後に1番最初に思い描かれたのは小さな女の子の言葉だったからかな。2016/10/11
ゐわむらなつき
9
死に直面して、人は初めて自身の生の意味を知ることができるのだろうか。著者･飯島さんもやはりガンに冒され、日常が覆ってしまった一人であるが、そこで見聞きした事柄がかなり小説の中に含まれていることだろう。医師と患者ではなく、対等な立場で話を聞くというシステムで閉塞感を払拭するというのはやはり必要なのだろう。ありがたいことに私はまだ時間がある。いつ来るか分からない最期に備え後悔しない生き方をしたいものだ。少々投げっぱなしの感も否めないが、総じて美しい文章で描かれていたので温かい読後感だった。2014/04/04
