内容説明
生気溢れる若者に成長したチャグム皇太子は、祖父を助けるために、罠と知りつつ大海原に飛びだしていく。迫り来るタルシュ帝国の大波、海の王国サンガルの苦闘。遙か南の大陸へ、チャグムの旅が、いま始まる!―幼い日、バルサに救われた命を賭け、己の身ひとつで大国に対峙し、運命を切り拓こうとするチャグムが選んだ道とは?壮大な大河物語の結末へと動き始めるシリーズ第6作。
著者等紹介
上橋菜穂子[ウエハシナホコ]
1962(昭和37)年東京生れ。川村学園女子大学教授。オーストラリアの先住民族アボリジニを研究中。著書に、『狐笛のかなた』(野間児童文芸賞)の他に、『精霊の守り人』(野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞、バチェルダー賞)、『闇の守り人』(日本児童文学者協会賞)、『夢の守り人』(路傍の石文学賞)、『神の守り人』(小学館児童出版文化賞)などがある。2002(平成14)年「守り人」シリーズで巖谷小波文芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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zero1
428
終盤に向け大きく動き出した第7巻を再読。タルシュ帝国と交戦中のサンガルに援軍を出す新ヨゴ。帝の怒りを買ったチャグムは罠という疑念を持ちつつ大提督の祖父トーサと出陣。裏切り、失望、そして深い苦悩。バルサと同じでピンチばかりのチャグムは読者の共感を得る。指揮官としてのトーサの覚悟と謎の人物ヒュウゴの登場。海に生きる女セナ。そしてラウル王子と会ったチャグム。選択肢はひとつだけと判断し思い切った行動に出る。作者はこの場面を【幸せな気分】で描いたという。解説は大森望(後述)。次は終盤の3冊「天と地の守り人」。2020/02/15
抹茶モナカ
327
『守り人』シリーズ中では、チャグムが主人公の外伝的な「旅人」編。新ヨゴ皇国がタルシュ帝国に脅かされる国際情勢が描かれ、シリーズが大柄な作品になる予感を漂わせる。なんだかんだで「良い子」のチャグムが、大人になって行く様子も、苦悩の濃さとともに描かれていたのも印象的。本作中は、ずっと、チャグムは虜囚なので、物語は本作では躍動しないけど、予感に満ちた作品。2015/08/29
射手座の天使あきちゃん
311
シリーズ第6作 強大なタルシュ帝国の脅威が迫る中、父・帝の冷徹な命令により、チャグムは罠と知りつつも祖父を救うためサンガル王国救援艦隊に身を投じます。 そして大海原(蒼路)への旅立ちは、思わぬ展開によりタルシュ帝国からロタ王国へと続く苦悩と相克の旅へと続きます。 チャグムの成長に応援せずにはいられません、マジ感動!! 年末忙しいけど続き読みたいですぅ! (>_<)2011/12/11
absinthe
296
前作よりドラマがあった。神の守り人のバルサには決断はなく宿命だけがあった。今回、戦闘はなくチャグムは移動するだけだが、決断は重くドラマは重い。ドラマとは決断であり、せざるを得ない宿命にドラマはない。チャグムの人生でも、恐らくは一番重いであろう決断は今作で下された。今作の結末には誰もが驚くだろう。後になるほど面白い守り人シリーズ。2019/10/21
いおむ
242
序盤の父である帝との緊迫したやりとり。後半のラウル王子との対決。うまいなぁ~もちろん全編サイコー(≧∇≦)b2015/02/15